鳴かぬなら チートを使え ほととぎす
燃やされても、グレートマンモスはピンピンしている!
どうやら、本当にマルチプレイじゃないと倒せないみたいだ。
そんなグレートマンモスには、余裕がある。
「ふっふっふ! 見ろ、魔法も効かないだろ! 効かぬなら マルチプレイだ ほととぎす」
名言をパクっただけなのに、ドヤ顔だからムカつく!
俺は、雷の魔法を唱えた!
上空に暗雲が立ちこめる! そして、グレートマンモスに落雷が直撃した!
「あっ、急にWi-Fi繋がった!」
グレートマンモスめっ! のんきに、鼻でスマホをいじるなっ!
ダメだっ、全く魔法が効かない!
ならばっ!
俺は、グレートマンモスを剣で斬りつけた!
「ほう、剣でマッサージか。気持ちいい!」
チート状態なのに、効いてない!
万策つきたか……。
肩を落とす俺に、ガーネットが声をかけてきた!
「ロアス! ここは、余がなんとかしよう!」
「ま、待てっ! 無謀だ、ガーネット!」
「大丈夫だっ!」
ガーネットには、妙に自信がありそうだ。よし、ここは仲間を信じてみよう!
ガーネットはグレートマンモスの前に立ち、
「グレートマンモスよっ! 余の話を聞いてくれ!」
まさか、魔王が和解の道を探るとは……。
ガーネットは続ける。
「ジュースです! どうか、お怒りを静めて下さい!」
祟りかっ!
しかし、俺たちは助かりそうだ。
だって、グレートマンモスはまんざらでもなさそうだから。
「ジュースくれるのか! さっき燃やされたから、ちょうど暑くてな!」
前代未聞なセリフ!
グレートマンモスは、鼻で缶ジュースをつかんだ。
すると、あのガーネットが気づかいをした!
「フタ、開けようか?」
しかし、余計なお世話だったようだ。
グレートマンモスは怒って、
「なめるなっ! 教育番組を見たことないのか!?」
ガーネットは、ビビりながら答える。
「な、ない!」
「ならば教えてやろう! ゾウさんは賢いんだぞ! 俺に至っては、賢さが8万もある!」
世界征服できるレベルじゃねえかっ!
「ゆえに、フタなど鼻で簡単に開けられる! ほら、鼻で器用に……」
しかし、開かない。
結局、10分くらい粘ってからグレートマンモスは告げた。
「ごめん、おれの賢さ80だわ……」
やっぱり、詐欺師だった!
弱気だったグレートマンモスは、急に開き直る。
「俺も完璧ではない、ということだ! 世の中にはな、得手不得手がある!」
俺たちが相づちを打つ暇もなく、グレートマンモスは続けた。
「文章では、うるさいほどテンション高い。でも、あがり症な弱者男性だっているかもしれねえだろ!」
やけに詳細だなっ! 誰のことだよっ!?
開き直ったグレートマンモス。
それでも、缶ジュースを飲みたいらしくまだ格闘してる!
「ぬおおっ、開けよ! イライラする!」
あっ、グレートマンモスがぶん投げた缶ジュースが宙に舞った!
必死なグレートマンモスをあざ笑うかのように、缶ジュースは奴の頭の上に乗った!
そして、グレートマンモスの頭から流れ落ちる!
「結局、こういうオチかっ!」
グレートマンモスは、キレたらしく同じことを二度言った。
「結局、こういうオチかぁあああ! これもすべて、ジュースを差し出したメスガキのせいだっ!」
グレートマンモスは勝手にキレて、ガーネットに突進する!
でかいのに、なんて速さだっ!
チートの俺でも、ギリギリでガーネットを助けられた。
「もはや、回線を繋ぐ暇も与えないぞぉおおっ!」
うわっ、また突進してきた!
しかも、敵は必死だぞ! ついに、マルチプレイ詐欺を捨てたんだからなっ!
女の子たちの手を握って、なんとか避けられた。
もし、あんなのに当たったらひとたまりもない!
焦る俺の腕に、ガーネットとランがしがみついた。
まさか、最後は三人一緒に死のうとか……?
俺が落胆していると、ランが高らかに言い放つ!
「勇者様、がんばって下さい!」
続いてガーネットが、
「ロアス。暗い顔するでない! がんばるのだっ! 余は、お前を信じておる!」
ラスボスを倒す展開かよっ!
でも、おかげで俺の力がめっちゃ上がった!
俺は、両脇にいる女の子たちに告げた。
「俺は、今回チートが切れてない。つまり、チート状態で応援された! チートにチートが重なった!」
俺は力強く言った!
「ありがとう! おかげで、『チートの限界突破』ができた!」
俺は、巨大な雷の玉を発生させる!
それを、向かってくるグレートマンモスにぶつけた!
グレートマンモスの身体は、激しいイナズマに包まれた!
「ぎええっ! マルチプレイじゃないのに、負けるだとぉおおっ!」
グレートマンモスが消滅した後、俺は言い放った!
「チートの限界突破状態の俺に、不可能はない!」
だが、これも諦めなかった仲間とマルチプレイしたからだがな。




