オランウータンと大差ないな!
俺とランは、図書館の外に出た。
確か、ゴブリンメットが言ってた。
悪の部長は、『宅配サービス』というあだ名だと。恐らく、もう来ているだろう。
俺が周囲を見回すと、妙にイケメンな吸血鬼がいる!
俺と目が合った吸血鬼は、メガネをクイと持ち上げる。そして、見下してきた。
「ふーん、君はその顔で勇者なんだね。僕はドラキュラ部長。イケメンモンスターとは、僕のことだっ!」
そう言った後、ドラキュラ部長はランに近寄ってきた。
「おやおや、美しいおじょうさん。今度、僕とデートしないか!?」
「……すいません。人外はNGです!」
ドラキュラ部長は一瞬顔をしかめたが、
「ふっ、この僕がフラれるとはな。まあいい、僕には99人の愛人がいる」
ドラキュラ部長は、自慢げに続ける。
「元々は100人だったが、1人去った。まあ、一人くらいすぐに増やせる!」
残機を増やすみたいに言うなっ!
俺がつっこみをいれてる最中、ドラキュラ部長がこちらを見てきた。
「人外はNG、か。明らかに、僕の方がイケメンだけどな」
突然、ドラキュラ部長のメガネが光った。
ドラキュラ部長は、中二病っぽく説明する。
「説明しよう! このメガネはイケメンレベルを計る装置。どれどれ……」
うっ、どうやら俺のレベルを計っているらしいな……。
ドラキュラ部長は見下した態度で、
「その程度のイケメンレベルか! 大したことないな! 僕をこのメガネで計ったら、計測不能だ!」
ドラキュラ部長は瞳をキラリと光らせ、
「それくらい、僕はイケメンだということだ! フハハハハッ!」
高笑いするドラキュラ部長。
そんな彼の下に、メガネをかけた悪魔が舞い降りてきた。
どうやら、ドラキュラ部長の部下みたいだ。
「部長、買ってきましたよ! 限定DVD『変態フェチ図鑑3 おまけ付き』」
ドラキュラ部長は、マジギレした!
「バカ野郎! 今はやめろっ! 僕のイメージが崩れる!」
怒られた悪魔のメガネが光った!
「部長のイケメンレベルも下がりましたよ! イケメンレベル、1!」
「1だと!? オランウータンと大差ないじゃないかっ!」
「そうですね……」
「もう泣くぞっ! 『魔界一のイケメンだった俺が、オランウータンに転生して人生詰んだ』ってweb小説書くぞコラッ!」
「違うでしょ! 『魔界一のイケメンだと自負してるナルシストな俺が、実は変態フェチ図鑑のファンだった件』!」
「わざわざ自分から恥をさらすかっ!」
「じゃあ、代わりに僕がweb小説を書きましょうか?」
「それ、単なるネット晒しだからなっ! 全く、上司に歯向かうとは不届き者めっ!」
「す、すいません!」
「魔物建設(株)の社訓を言ってみろ!」
「魔物の魔物による魔物の為のサービス残業!」
「よろしい、次だっ!」
「魔物の魔物による魔物の為の休日出勤!」
「よし、最後だ!」
「魔物の魔物による魔物の為の15分前出勤!」
めちゃくちゃな会社だなっ!
そうつっこむ俺は、あることを閃いた。
「魔物の魔物による魔物の為の社畜で統一したらどうだ!?」
「ブラボー!」
ドラキュラ部長、そして魔物一同から盛大な拍手が送られた。
悪い気はしないな。
おっと、危うく自分の仕事を忘れるところだった!
俺は勇者だ。ゆえに、魔物建設(株)の野望を打ち砕く!
それと、酷使されているモンスターたちも救う!
俺は剣を握り、
「来い、ドラキュラ部長! 俺がぶっ飛ばしてやる!」
「甘いな、勇者よ! ここは社訓にのっとり、部下が相手する!」
「サービス残業か?」
「ご名答! さあ、ザコどもよっ! 行くがよい!」
モンスターたちは、嫌々って感じで襲いかかってきた!
「錬金の魔法! 『鉄の牢獄』!」
俺が放った鉄の牢獄が、モンスターたちの頭上から落下した!
モンスターたちを牢獄に閉じこめた!
後は、ドラキュラ部長をぶっ飛ばすだけだっ!




