やり取りはいいから、早く宿屋に泊まらせろ!
俺は、トロール課長をぶっ飛ばした。
いつの間にか、課長の部下のスケルトンもいなくなってる。
しかし、そんなことはどうでもよかった。
それより、宿屋に泊まらせろ!
この眠たさ、しんどさ……。
徹夜でゲームして、そのまま長時間労働……よりはマシか。
ともかく、俺はガーネットを誘う。
「ガーネット、宿屋へ……」
いない。さては、また襲撃の計画を立てているのか!?
俺は街中を見回す。やはり、ガーネットは木の下にいた。
俺はガーネットの下へ向かい、
「ガーネット! また襲撃計画だなっ!?」
いや、よく見たら小石で穴を掘っている。
さては、落とし穴だなっ!
俺は、拳銃の形をしたドライヤーを手に持つ!
そして、ガーネットへ風を送った!
ドライヤーの強風が、ガーネットの黒ローブを揺らす!
「ひゃうっ!?」
黒ローブがめくれて、おどりこの衣装があらわになった!
ガーネットは恥ずかしがる。それからちょっぴり不機嫌そうに、
「なっ、何するのだっ! ロアス!」
「悪の魔王、ガーネット! それは落とし穴だろっ! ゆえに、正義のおしおきをしたまでだっ!」
「違うのだっ! 第一、小石で落とし穴を掘れるわけなかろう!」
「確かに、疑って悪かった。じゃあ、何しているんだ?」
「えっ!? い、いや何もしてないのだ!」
妙によそよそしい。
まるで、母親にエロ本が見つかった息子のように……。
ガーネットが突然叫ぶ!
「あっ、UFO!」
そんな古典的な……。
「くっ、効かないかっ! じゃあ、これならどうだっ! あっ、ロアスの後ろに宇宙人!」
まるっきり同じ手だぞ、ガーネット!
「ダメなのだっ! これならどうだっ!? あっ、ロアスの前に史上最強の大魔王!」
自分のことじゃん! しかも、相当盛ってるからなっ!
「なぜ効かないのだっ!? くっ、これならどうだっ! あっ、ロアスの後ろに……」
「いつまでガーネットのターンなんだよっ! 連続何回攻撃だっ!?」
「すまん、ロアスよ! 頼むからアッチを向いててくれ!」
「まさか……、脱ぐのかっ!?」
「下心丸だしかっ!」
「すまんすまん、デリカシーは必要だな!」
俺は言われた通りにする。しかし、ガーネットは一瞬でOKを出す。
「もういいのだ!」
俺が振り返ると、掘られた土が元に戻っていた。
予想するに、トロール課長のスマホを埋めたんだろうが。
まあいい。
「ガーネット、もうクタクタだから宿屋へ行くぞ!」
「待つのだ、ロアス。ここはまものタウン。宿屋は魔物に占拠されてないか?」
「それは大丈夫だ」
「だよなっ、余は魔王なのだ! 顔パスなのだっ!」
「どこからわいてくるの、その自信! めっちゃ襲われてたよね?」
「ロアスこそ、宿屋は安全だという根拠はあるのか?」
「ああ。道具屋もピエロだった。さっき、崩れた家から逃げ出したのも人間」
「ふむふむ」
「大トカゲは言っていた。昨日、まものタウンに変わった。つまり、ここはまだ人間の街だ!」
「その推理力、ロアスは天才なのだ! IQは五万くらいあるのだっ!」
「俺は全知全能の神様かっ!」
「そうか、じゃあIQ一万くらいかっ! いや、二万はある!」
「バトル漫画みたいな言い方はやめろっ!」
「すまんすまん。それより、宿屋へ行くのだ! 疲れたからな!」
「さっきから言ってんじゃん! ああ、戦闘よりつっこみで疲れた……」
こうして、俺たちは宿屋へ向かった。




