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お題シリーズ3

頼りになる後輩

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/05/27



 私はいま、中学三年生だ。


 だから、もういい年なんだけどね。


 びびり癖がなおらないんだ。


 友達から悪戯されたら、すぐ「わっ」って驚いちゃう。


 それにホラーとかも苦手。


 怖い話をされると、耳をふさいで「あー、あー、聞こえない聞こえない」ってやっちゃう。


 馬鹿にされたりする事もあるから、なんとかしたいんだけどな。


 で、そんな私なのに、うっかりをしてしまったみたい。


 実は忘れ物しちゃったの。

 それに気が付いたのはもう日没後。


 夜の学校に忘れ物をとりに行く事になるとは思わなかったよ。


 翌日提出する宿題だから、今日中にやっておかないといけないっていうべたな展開で、さぁ大変。


 幸いなのは、校舎に入らなくてもいいかもしれないって事かな。


 学校の敷地内。


 建物の裏手にある飼育小屋の前に置き忘れたんだと思うし。


 私、今日は飼育当番だったから。


 敷地を囲む壁を乗り越えたら、数歩歩いてすぐの場所にいるから、夜の校舎ほど怖くはないと思う。


 けど、やっぱり普段と違う学校って、想像するとちょっと「うっ」ってなる。


 はぁあ。


 憂鬱だな。


 だから、人についてきてもらう事にしたんだ。


「それで、後輩に泣きついてきたのかよ。たよりねー先輩だな」


 ちょっとセリフが辛口だけど、その子は頼りになる後輩。


 弟みたいに思っている子だよ。


 口をとがらせつつも、電話したら集合場所に来てくれたの。


「ごめんね。でもどうしても一人じゃ怖くて」

「しかたねーな」


 こうやって、一生懸命頼めばついてきてくれるからいい子なんだよね。


「あとで、飴ちゃんあげるね」

「子ども扱いすんなおばさん」


 だけど頭をなでなでしてそんな事いったら、そんな反応。


 一年生なんだけど、見た目より年下に見えるから、子ども扱いされると気にしちゃうみたい。


 おばさん扱いはちょっといらっと来たけど、こっちは頼み事している立場だから我慢我慢。


 年上は年下に寛容でいなくちゃだしね。


 それで、そんな後輩と共に夜の学校へ。


 あたりは日が暮れててまっくら。


 電灯も少ない場所だから、よく見えない場所も多い。


 だから、物陰からお化けが出てきたらどうしよう、なんてよく考えちゃう。


 がさがさっ。


「ひぃっ」


 今も近くの家の花壇がゆれてびっくり、後輩くんにだきついちゃった。


 けれど後輩くんは、冷静。「ただの猫だって」ってあきれ顔。


 本当だ。


 はぁ。


 本当に頼りになる。

 近くにいると、落ち着くなぁ。


 反対には私はすごく頼りないなぁ。

 先輩失格だよ。


 へっぴり腰のまま、目的地に到着。


 校舎を覆う壁を乗り越えて、飼育小屋の前に。


 あっ、やっぱり忘れ物があった。


 良かった。


 これで、宿題ができる。


 それを見た後輩君は「で?」と言って来た。


 私は「ん?」という顔をする。


「どうせ宿題が分からずに後で泣きついてくるんだろ? もう手間だから、そこら辺の喫茶店で問題の解き方教えてやるよ」

「えっ、いいの?」

「ついでになんかおごれよな」

「うんうん」


 やっぱり本当に頼りになるなぁ。


 私は後輩くんの面倒見の良さに感激してしまった。


「ありがと~大好きだよ」

「ちょっ、だから子ども扱いして抱き着いてくんなって」


 あれ、いつも冷静なのにちょっとうろたえてる。


 不意打ちだったからかな。


 うーんそれに、女の人に抱き着かれてるところ見られたら恥ずかしいのかも。


 近くを会社帰りのサラリーマンが通っていったし。


 なんだ、年相応な所もあるんだな。


 私はさっきまでの怖さを忘れて、ニヤニヤ顔で後輩君を見つめる。


「女に抱き着かれて照れてるわけじゃねーっての。お前だからだよ。ったく鈍いんだから」



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