授業
三題噺もどき―ごじゅうろく。
お題:筆記用具・机・昼寝
ジワジワと蝉が鳴き、夏の日差しが、直接教室内に差し込んでいる。
「…………ねむ……」
今は、授業中。
色んな筆記用具の入った筆箱を枕がわりに、机に突っ伏す。
ガシャ―と中身がぶつかる音。
「……」
授業が始まってから、延々と先生が何か話していた。
今は、ロングホームルーム中。
訳の分からない正論を、先生という大人がとうとうと語る時間。
―まぁ、それは最初から聞いていなかったのだが。
(眠いなぁ…)
日差しがきつい中、冷房なんて効かない教室。
そのうえ、私は窓側の暖かな席に居る。
重ねて、微塵も興味のない大人の理論が垂れ流されるのを、見ているだけ。
それでも、と、何とか意識を保っていたが、限界だった。
徐々に、集中が切れ、眠気が襲ってきた。
(あーもう、むり……)
そう思った途端。
:
―ザワザワ
目を覚ました時には、授業が終わっていた。
「……ん」
ゆっくりと頭を起こし、なんとなく視線を走らせる。
先生は教壇に立ち何やら他の生徒と話している。
その他大勢の生徒たちは席を立ち、各々動き始めている。
(あれ、いつの間に……)
そんなことを思いながら、ぼーっとしていると、
「爆睡w」
友達が話しかけてきた。
「ははー、昼寝ですよ、昼寝ー」
「いい、ご身分ww」
「自分も寝てたくせに…」
「まねw」
そんなことを話しながら脳を覚醒させていく。
(ああーまだ眠い……)
既に、チャイムが鳴り響いていた。