第二話 素敵な巻き糞ですね
ここまでのあらすじ
異世界転生した直後猛烈な便意に襲われた俺。切れ痔になりながらもやっとの思いで出したうんこは巻き糞ヘアーの女の子だった。
女の子「おいテメェ、ご主人ですかって聞いてるんですが?」
ど、
どど、
どういうことなんだ。
なぜうんこをしたら女の子が出てきたんだ?
いや、女の子に見えるけどうんこなのか? そういう世界線なのか?
この子本当に俺のケツ穴から出てきたのか? てことはおれはこの子を出産したことになるのか? でも普通に服も着てるし喋ってるしおかしくないか? この世界ではこれがデフォなのか?
女の子「あのーテメェ、耳ついてますか? 質問しているのですが」
ていうか何だよこの子。ご主人様ですかとか尋ねておきながら口が悪くないか。職場で上司に対してもヤンキー気質を隠しきれないタイプか?
俺「えっと…………………」
女の子「あ?」
怖いんですけど。やっぱりヤンの者なの?
おっかないからとりあえず俺がご主人様ってことにして主従関係にしてしまおう。そうしよう。
「そうだよ、俺が今君を排便したご主人様だよ。大変だったんだぞ。ほら、見てよこの血まみれの肛門」
「うっわいきなりアナル見せるとかご主人様テメェ変態ですか?」
「あっ、ゴメン、つい…////」
ちょっと恥ずかしくなるピュアな俺。
「まぁいい。やっぱりご主人様だったんですね。夜露死苦です」
そう言ってペコリと頭を下げる少女。なんだ、かわいいとこあるじゃないか。
俺「う、うん、よろs…」
女の子「それよりも私の名前早く決めてください」
俺の言葉に被せて話してきた。
俺「………お、おい。あのな、人が喋ってるのを遮って喋り出すのは失礼なんだぞ」
女の子「あ、そいつは失礼いたしましたご主人様」
俺「うん、今後は気をつk…」
女の子「で名前は決まりましたか?」
俺「オイイイイイイイイイイ!!」
なんで異世界まで来てこんなベタな掛け合いしてるんだ俺は。
女の子「テメェが私を排便したんですから名付けるのは当然ですよね? 素敵な名前をつけてくださいね」
俺「あーはいはい、名前ね…えっと、そうだなぁ……」
彼女の容姿を舐めるように見回して特徴を探す。
う〜ん……露出が多くてエッチだ……///
女の子「おっぱいガン見しすぎでしょ。別にいいですけど」
いいんだ。じゃあもうちょっと見よう……じゃなかった。名前を決めるんだったな…。うーん、何か特徴は………
ってンなもん"巻き糞"しかねェだろうよ!!!!!!
俺「マキ軍曹」
女の子「…えっ?」
俺「君の名前はたった今からマキ軍曹だ! どうだ素敵な名前だろ! わっはっはっ!」
女の子「……ス」
俺「え?」
女の子「コロス!」
そう言うと突然目つきが変わった。殺気に満ちている。
俺「えっ!?」
瞬間、俺の方に飛びかかってきた。
女の子「ふあああああ!!!!」
俺目めがけて空中で拳を振り上げている。
俺「やっ…ちょっ……ゴメン!! 考え直すからああああ!!」
女の子「喰らえええええええ!!!」
俺「うわあああああああああ」
殴られるぅううううう!!!!
と、思ったら俺をスルーして頭上を通過していった女の子。
直後、ガツーーーーン!!! と誰かが殴られる音がしたあと、ドスーーーンと倒れる音がした。
俺「…えっ?」
振り返って見ると、彼女のお尻…いや後ろ姿があって、その向こう側には倒れている茶色い物体……あれはなんだ?
もう大丈夫ですご主人様、敵は排除したので。と女の子は言った。敵………?
女の子「あ、そういえば。名前の件ですが…」
俺「えっ あっ」
女の子「マキ…軍曹……でしたっけ……」
俺「あ、いやその…これは違うんだ!! 冗談だよ、じょーだん!! ゴメン!! もう一回ちゃんと考え直すから!! だから、ゆるs…」
女の子「素敵な名前ですね♡ ありがとうございます、ご主人様♡」(ニコッ)
俺「……………へっ?(ドキッ)」
初めて彼女が見せた笑顔が不意に可愛くてちょっとモッコリしてしまった。
俺「いやぁ、まあ気に入ってくれたなら何よr…」
マキ「そんなことより腹減りました」
俺「遮るな」
つづけ