ぴょんぴょん。
地べたで這いつくばる 忌まわしき その姿
"死に体"のように
息の根を止めたつもりのハズ
柔らかな紙で 何枚も重ねて そのかけがえのない命を
そうっと 優しく 包みこもうとしてーー
クルリと 翻す 茶褐色の身体を奮わせ
まるで 何事もなかったかのように
ピンと 伸びた触角 そして精一杯羽ばたき
捉えきれなかった
逃げ 戸惑い 阿鼻叫喚の景色のなかで
ありとあらゆる隙間から 視られているようなーー
壁紙の 色合いすら 奴らに見える……
略 "G"なる脅威と 夥しい恐怖
「ゴキキキキキ♪」
嗤う虫 仄かな企み




