回復薬の作成中重大なことに気が付いた。瓶が……
その日、僕は寝ないで回復薬を作っていた。
回復薬を作るのはそれほど難しくはない。
回復薬の瓶に魔力を込めて回復薬でいっぱいにしてやればいいのだ。
僕には才能はないが1回で10本くらいは作ることができる。
これをたった250回やればいいだけだ。
だけど、この250回は本当に気が遠くなる。
今までは一晩で多くても1000本だったが、今回は本当に大変かも知れない。
それにしても、もう少し早く言ってくれれば、何とかなったかも知れないのに、いつも思い付きで言われてしまうから困る。
それから僕が何とか2000本を作り終えた時、僕は重大なミスに気が付いた。
「おかしい…瓶の数が……」
改めて数を確認してみると回復薬をいれる瓶が足りない。
てっきり作れと言われていたから瓶はあまるくらい準備されていると思ってしまった。
「まずい……これはまずいぞ。なんとかしなくちゃ」
僕は急いで瓶を卸してくれている雑貨屋マルクへ急いだ。
扉をドンドンと叩きながら店主を起こす。
まだ日が昇りもしない時間帯でかなり迷惑だが、たまに怪我人が多い時などは夜中でも対応してくれるのでお願いするしかない。
「ドルドさん! すみません!」
「はぁ~あいよー。その声はパックか? 今開けるからちょっと待ってくれ」
「すみません。夜遅くに」
ドルドさんはマルクの店主でいつも、こんな急な時にでも対応してくれる雑貨屋のおじさんだ。たいていのことはお願いするとなんとかしてくれる。
「大丈夫だ。それより今日はどうしたんだ?」
「聖女様の回復薬の瓶が足らなくなってしまって。どうにか確保できませんか?」
「何本くらいだ?」
「300本くらいなんですが」
「300か。それは厳しいな。今ある在庫が230本だから、まずはこれを全部持っていけ。あとはそうだな。瓶作成のトロンを叩き起こそう。あそこになら納品前のがまだあるはずだ」
ドルドさんは寝間着のまま、夜の街を走り瓶工場まで行ってくれる。
「おい! 起きろ! トロン! 朝だぞ!」
ドルドさんが遠慮なく扉をガンガンと叩く。
「おーい。起きないと扉を蹴り開けるぞ」
「ちょっちょっと待て! 今開けるから!」
トロンは目をトロンとさせながら、慌てて扉をあける。
「なんだよ。こんな朝早くから。おっパックか。元気か? 身体が資本だからな。無理しすぎるなよ。それにドルドか。どうしたんだよ? ドラゴンでもあらわれたか?」
「いや、パックが聖女様から言われて回復薬を作っているらしいんだけど、あと150本ほど入れ物が足りないらしいんだよ。だからどうにかならないかと思ってな」
「うーん150本はないな。100本はあるから持っていくといい」
「トロンさん、ありがとうございます。」
「いいよ、いいよ。パックにはいつもお世話になってるからさ。こういう時こそ助け合いだ。ただ、あと50本はな……」
「大丈夫です。とりあえずこれだけ持って帰ってみます。残りの50本は救護院のどこかに在庫がないか探してみます」
「あぁ、何かあればいつでも言うんだぞ。お前のためならこの辺りの奴はみんな手伝うからな」
僕はいつも、聖女様に秘密で簡単な怪我であれば街の人の怪我を治してあげていた。
本当はお金をもらわないといけないんだけど……救護院で売っている回復薬は高くて買うことができない。
僕のような下っ端が作らさせられている下級ポーションでも1本で、街の人の平均的な月の稼ぎを持っていかれてしまう。
僕にはたいしたことはできないけど、人を助けたいって気持ちはすごくあるんだ。
だけど、いつまでたっても聖女様のようなすごい回復薬は作れない。
おっといけない。
早く戻って続きの回復薬を作らなくちゃ。
空き瓶あと50本あるといいけど。
回復薬欲しい人にこの一本!
チ〇ビ○!
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