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新しい街へ出発!

「パックそれでこれからどうするの?」

「そうだねぇ。結構溜め込んだね」

「こんな食べられないもの持っていくのか?」


 目の前には盗賊たちが溜め込んだ財宝が置いてある。

 珍しい武器や防具、宝石、それに変な銅像まで色々なものが沢山ある。


 盗賊を退治した後に得られた武器や防具などは基本的に討伐した者や、発見した者がすべてをもらえるようになっている。


 冒険者と違って財宝などを探すトレジャーハンターなんていう職業もある。

 冒険者も洞窟に潜るという点では同じでほぼ区別があるようでないが。


 リリがマッシュを尋問をしたところ、もう他にでている盗賊はいないということだった。

 広場にいたのと洞窟にいたのが全員だったという。


 嘘を言っている可能性もあったが、リリが相当脅かしたあとに、ドラが戻ってきて追い打ちをかけたので嘘は言っていないと思う。


 見ているこっちが可哀想になってしまった。


 マッシュたちはこの財宝をどう運ぶつもりだったのか聞いて見ると、マッシュたちはマジックボックスがあるとのことだった。


 マジックボックスは見た目は普通の鞄だが、見た目とは違って数倍の収納能力がある鞄で、普通は市場に出回ることは少ない。


 マッシュたちが持っていたものは、商人を襲った時に手に入れたものということで、かなりの大きさだった。

 今までノエルの村の近くから、遠くに遠征して食料や財宝を奪い、ここの洞窟を拠点にしていたが、徐々に襲撃できる場所が減ってきたのでノエルの村を最後に拠点を移すつもりだったらしい。


「これは3人でわけるってことでいい?」

「私はいらないわよ。パックが好きに使っていいよ」

「僕もいらないよ。食べられないものよりも美味しい回復薬の方がいいな」


「そうなの? じゃあ旅の資金と人の役に立つようなものに使わせてもらうね。2人ともありがとう。でも何か欲しいものあったら言ってね」


「私はパックが欲しいな」

「リリダメだぞ。パックを食べたら回復薬が飲めなくなるだろ」


「ドラは回復薬が飲めればいいのよね?」

「そうだよ」


「じゃあ回復薬はドラにあげるわ。私はそれ以外をもらうから」

「うん。それいいね! さすがリリ天才だね!」

「でしょー」


 2人はいつの間に仲良くなったのかふざけた話を真面目な顔でしていた。

 これツッコまないと終わらないやつだ。


「でしょーじゃないから! 2人で盛り上がりすぎだから。財宝回収したら次の街へ行くよ」


「パックって突っ込み下手だよな」

「そうよね。せめてもう少し乗ってからとかね」

「なー」


 もう嫌だ。全員敵だ。

 どこかで復讐してやる。


「パックが落ち込んじゃったから今日はこの辺りにして、次はどの街へ行くの?」


「絶対どこかで仕返しするから覚えといてね。さてどこへ行こうね。まだ決めてないんだ。リリ地図ある?」


「パックの心の声もれてるー。はいどうぞ」


 ふざけるのはほどほどにして、地図を見ながら次に行く場所を決める。

 ノエル村から近い場所だと、ヤナエ村かラリッサの街が近い。

 聖女がいたモンセラットの街とはノエル村を挟んでどれも反対側にあたる。


 できればクビになったモンセラットは近づきたくない。


「ここからはヤナエ村は近いけど、でも一度旅の準備もしたいからラリッサの街へ行って準備をしようか。それにラリッサの街にはモンセラットとは違う大きな救護院もあるからね。近い割に行ったことないんだけど、あそこには大きなキレイな墓地があるんだよね。芝生が一面に敷き詰められていて手入れがされているんだ」


「あそこって男女の隠れデートスポットだよね? 私と行きたいってこと?」


「えっ違うよ。ただ見てみたいってだけ」

「パック……優しいのに何気にひどいのな」


「でしょ! ドラちゃん本当にこの男は……もう泣けてくるわ」


 泣きまねをするリリにドラはパタパタと飛んで行き優しく頭をなでる。

 2人の目が怖い。なんでこの2人だけタッグ組んでいるのさ。

 俺にだけ厳しすぎる。


「じゃあラリッサの街でいい?」

「えぇいいわよ。1人で墓地でも何でも行ってくればいいじゃない」

「えっリリは行かないの? てっきり行くんだと思ってたけど。それなら別行動だね」


 俺が置いていこうとするとリリは慌てて否定してきた。


「行きます! 行きますよ!」

「僕はどこでもいいよ。回復薬のついでに美味しい物食べさせてね」


「わかってるよ。ノエル村では食事できなかったからね。ラリッサの街では少し美味しい物を食べよう」

「よし! 行くぞー!」


 ドラが洞窟の外で大きなドラゴンの姿に戻る。

「ドラ、その姿で行ったら美味しいものじゃなくて街総出で兵士が出てくるからね」


 俺たちはゆっくりとラリッサの街へ行くことにした。

リリ「ラリッサの街では公園でデートできるわ」

ドラ「公園っていうか墓地なんだろ?」

リリ「いいのよ。最近2人で遊びにいくことなんてなかったんだから」

ドラ(僕はついていっていいのだろうか。それとも遠回しの拒否なのだろうか)

悩むドラなのであった。


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同作者の書籍化作品です。ネット版とはまた違った展開になっています。 本を読んで楽しく自粛を乗り越えましょう。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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