表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理想の現実  作者: 南条 紙哉
3/15

1-2

 とりあえず…………もう一度少女について確認してみよう。


 ミニスカートに半そでパーカー、髪はハーフアップにしていて首には紙切れをぶら下げている。いや、これラジオ体操の出席カードだ。


 ………間違いない、俺はこの女の子を知らない。


「…………お兄ちゃん起きてる? どうして私をじろじろ見てるの?」


 少女は心配そうに俺を見ている。


 …………オニイチャン?

 

 というかごめん、じろじろ見ているつもりはなかったのだけど。別にロリコンとかじゃないからね?


 少女は部屋に侵入し、俺の前までやってくる。


「おーい、起きてますかー? 早くしないとラジオ体操はじまっちゃうよー」


 少女は俺の目の前で手を振り、意識を確認する。

 

「…………おはよう」


 なにを言えばいいかわからないからとりあえず挨拶をしてみた。


「うん、おはよう。じゃあ玄関で待ってるから早く着替えてきてね? 流石にパジャマのまま来ないでよね」


 それだけ言うと少女は俺の部屋から出ていった。


 そして結局、部屋には間抜けズラで口をポカーンと開けている俺が取り残された。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「いちっ、にっ、さんっ、しっ、後ろそりー」


 とりあえず少女に言われるがままに着替え玄関に向かうと、少女は早く早くといいながら俺の手を取り走りだした。

 行きついた先は近所の公園。小学生や近所のおばさんたちが眠そうな顔をしながら集まっていた。


 2月だというのに全員が全員見ているだけで体が凍りそうな服装をしているが、角言う俺もタンスになぜか夏物しか入っていなかったため、本来なら自殺同然の格好だ。


 だけど…………少なくともこの気象なら問題のない恰好だな。時期的には正気か疑うけど。


 さて…………と。とりあえず流されるままここまできたが、状況を整理しよう。


 まずこの異常気象、俺の記憶する限りで今は2月だ。なのに蝉は鳴いてるし、汗だくになるほど暑いし、とどめにラジオ体操と来た。

 異常なはずなのに、公園に来てみれば普通に夏の格好の人ばかりだ。


 つまり異常だと感じているのは俺だけで、周りにとっては何もおかしなことじゃないということになる。

 

 外の気候まで正反対になっている点から、テレビ番組の悪質なドッキリ等は考えられないだろう。流石に技術でどうにかできるレベルではない。


 ラジオ体操…………そうだ、地区でラジオ体操をやるのは小学生の夏休みに合わせてだから、つまり今は夏休み……………? 確かにそれならこの気候についても説明がつく。


 じゃあつまりは………………。


「時間が戻ったか、もしくは進んだかってことか」


 にわかには信じがたいが、これしかないだろう。

 まだ確証はないし、わからないことだらけだが、筋自体は間違っていないはずだ。


 それは後で調べるとして…………。


 あの少女だ。俺は名前も知らないはずだが、あのこは俺のことをお兄ちゃんと呼んだ。

 少なくとも俺は一人っ子で血のつながった兄妹はいない。隠し子…………だとしても急すぎる。初対面の反応じゃなかったし、その可能性は低い。


 これに関してはもう少し、様子見が必要だろうな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ