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理想の現実  作者: 南条 紙哉
2/15

1-1

 スマホのアラーム音で目を覚ました。


「うぅ…………」


 軽く寝返りを打つと、体の不快感に気が付いた。頭から足まで汗でびっしょりで、バケツの水でも被ったのかと疑うほどだ。


「暖房つけっぱなしにして寝ちまったか?」


 一応、住んでる地域は積雪地域だからそれなりに寒い。冬にもなれば平気で最低気温はマイナスになる。だからストーブも暖房も地球によくないだとか考えずに容赦なく使うのだが、さすがに寝る時くらいは消すようにしていた。


 ただ…………暖房をつけっぱなしにしたところでこんなに汗でるか? 俺の記憶が正しければ設定温度は25度にしてあったし、一晩暖房が稼働してたにしてもおかしな話だ。


 それに…………アラームもおかしい。

 俺、月岡想留は高校3年で、進路も決まっているため二月に入って自宅研修期間が始まってからはアラームをかけずに寝たいだけ寝るのが日課になっていた。

 だからまずアラームが鳴っていること自体おかしいのだが、そのアラーム音も普段設定しているものとは違うものだ。知ってる曲だけど。


 とりあえず…………アラームうるさいから止めよう。

 昨晩はスマホをいじりながら寝たはずだが、なぜか勉強机の上に置いてある。

 寝ぼけて机に置いた…………とすれば、もはやそれは浮遊症だな。

 

 考察もほどほどに俺はベットから立ち上がり、アラームを止めに向かう。


「え? なんで?」

 

 流石に目が覚めた。

 何故かスマホが前に使っていた機種に戻っている。

 今年の正月に父とショップに行き、買い換えたばかりだったが、前に使っていたものはそのままリサイクルショップに持ち込んだからどう考えてもここにあるわけがない。


 しばらくスマホを片手に固まっていたが、考えても仕方がないと思い、とりあえずこの常夏空間をどうにかしようと寒さを覚悟して部屋の窓を開けた。


「うー寒…………く………………ない?」


 予想していた冷気はなかった。それどころか、外もこの部屋と大差がないほどの気温だ。

 昨日ニュースのお姉さんが最強寒波が近づいてきてるって言っていたはずだけど……。

 いや、それだけじゃない。さっきスマホを見た時、時刻は6時20分だった。今の時期日の出は大体6時半すぎのはずだが、すでに太陽はサンサンと空にたたずんでいる。


 ラジオのノイズのような音も聞こえてくる…………いや、これは蝉の鳴き声か?


「冬に蝉なんてでるっけ…………?」


 …………わからん。流石にわからん。

 単純な異常気象…………なのか?


 完全に思考が停止し、蝉の鳴き声は部屋に響き渡っていたが特にそれも耳に入らないくらい混乱していた。


 が、俺の世界の沈黙をやぶるかのように、部屋のドアが開かれた。


「あ、起きてた。……ってまだ着替えてないじゃん! あと8分だよ?」


 ドアの方を見る。

 そこには知らない少女が立っていた。


 



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