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理想の現実  作者: 南条 紙哉
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プロローグ

 テレビドラマの物語は実際に現実に起きていないことだと知るのに、たいして年は重ねなくてもいいだろうが、俺の場合は例外で中学に入学するくらいまですべてノンフィクションだと思っていた。


 世界の平和を守っているのはスーパー戦隊で、俺の見ていないところで戦ってると思っていたし、顔が赤くなるような熱い恋愛も、世界のどこかで行われているものだとおもっていた。


 それらすべてに原作があって、人間の創作物であると気付くきっかけがあったわけでもないが、まあ純粋に大人になったってことだろう。


 少し考えればわかることだった。もし戦いによって平和が保たれているのなら、政治家が難しい顔をしながら国会で怒鳴り合う必要はないし、もしドラマのような恋愛があるのであれば、普通の恋愛じゃ物足りなくて仕方がない。


 それを理解した上で、だ。


 それでも俺は、現実でも非現実的な、誰かが書いたような物語のようなことが起きていることを願った。


 世界の危機を救ってみたかったし、喜怒哀楽すべて含んだ普通じゃない恋愛もしたかった。それでもって最期は誰かを庇って死ぬ。


 今思い返しても、誰かに話してみればドン引きされそうな気しかしない。





 何か代償を払ってでもそんな奇跡を起こせるのであれば、その対価はなんであれすぐに差し出す。


 そんな曲がった理想を抱いていた。


 

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