主要キャラ紹介(完結後)
いつも読んでくださってありがとうございます。
今回は完結後の主要キャラ五人についてと完結したから話せる裏話、本編に明記れてない設定、作者からのコメントなどを付けてお届けします。
ここまで読んでネタバレも何もありませんが、読まなくても特に内容がわからないとかはありませんのでご安心ください。
・アルム
マナリルの英雄にまで上り詰めた平民。そして無属性の創始者(本人の自覚無し)。
卒業後の旅を経てベラルタ魔法学院の特別講師となり、たまに各地に出張して指導したりもする。
妻であるミスティとの関係は良好でティアが入学した時点で子供は四人。名前は上からティア、カルミナ、ヴィアラ、クラス。上三人が女の子で一番下が男の子。関係が良好過ぎて妻と二人きりの空気を一瞬でも作ると子供達がその空気を察知して退散してしまう。助かるような寂しいような複雑さ。
子供達との関係も良好で特に長女のティアと三女のヴィアラに懐かれており、ティアの時に反抗期が無い事を真剣に悩んでいた。次女のカルミナにはあったようで「お、お父様なんか、き、き、嫌い……かも……!」と言われた時にようやくほっとしたという。
親友三人とは今でも頻繁に会っており、互いに立場は変わっても学生の時のような気楽な関係で落ち着いている。
同期ともたまに会っていて、ミスティ達を除けば一番頻繁に会うのはネロエラとグレース。ネロエラは輸送部隊なので同行が多く、グレースは劇団関連のイベント依頼やらサインの注文やらで魔法使い以外の仕事で会う事が多い。
魔法使いとしての腕はマナリルトップクラス。才能が無く無属性魔法しか使えないのは変わらないものの技術がずば抜けており、魔法の構築速度が異常に早い。基礎を極めれば強いを体現している魔法使いであり教師にも向いている。
今でも練習を欠かさないため全盛期を更新中だが、最大火力は学生の時に使えていた【天星魔砲】。
その魔力量を発揮する"星の魔力運用"に加えて半霊脈化した自分に刻まれた魔法生命の記憶を魔法のモチーフにする事に成功しており、中には血統魔法クラスの魔法もあったりと隙の無い使い手へと成長した。
※魔法生命をモチーフとした魔法一覧
幻影魔法『幻恋異聞・紅葉樹氷』
防御魔法『幻問異聞・隣人の守護者』
攻撃魔法【幻暴異聞・鬼々礼賛鬼哭神楽】
召喚魔法【幻愛異聞・聖天喰百足凶】
モチーフは上から順に紅葉、スピンクス、大嶽丸、大百足。
魔力残滓が残っている百足のみモチーフとなった魔法に意思があり、アルムの中で毒や呪いから守るために住み着いている。愛した人がこの世を去るその瞬間まで見守り続けてからこの世界から消滅するのが百足にとっての報酬。
キャライメージは主人公補正を得てしまったモブ。
度々"分岐点に立つ者"と言われているが、要は世界の分岐点に立てるだけの人で救世主ではなく被害者。作中の"分岐点に立つ者"が全員黒髪と黒い瞳なのは呪われて生まれたためで、アルムが死ぬしかない分岐点もあったりする。
綱渡りとはいえ立派に生き残って幸せになってくれて本当に嬉しい。
名前の由来は唯一無し。主人公という始まりかつ真っ白な名前をつけたかったのであから始まる言葉でぱっと思い付いたのを付けた。後で調べたら一応意味があるらしいけれど、アルムっぽいのでむしろよかったまである。本作は真っ白なだけだった彼が"魔法使い"を目指す話だった。
・ミスティ
カエシウスの最高傑作。血統魔法を完成させた魔法使い。
卒業後は当然カエシウス家の当主であり、恋人が旅に出るのを快諾して四年も待ってくれた健気な子。四年の間に断った結婚の申し込みは二百を超える。アルムが旅の間刺客に襲われていたのはアルムがいなくなればカエシウス家の婿の席が空くからでもあった。
アルムが旅から帰ってきた後に結婚。結婚後は学生時代と旅の期間にあまりいちゃつけなかったのを取り戻すかのように積極的に行く事にしている。結果子供四人に恵まれたが、本人はまだまだいちゃつきたいので積極的なまま。
子供達との関係も良好で特に懐いているのは次女のカルミナと末っ子のクラス。
親友三人との関係も変わらず良好。たまに集まって五人だけのお茶会をするのが楽しみでいい茶葉を買い込んでいる。
魔法使いの腕はマナリルの頂点。アルムと同じように練習を欠かさず、才能も最高峰なので学生の頃よりさらに強くなっている。血統魔法を完成させた魔法使いでもあり、その圧倒的な力からミスティの世代が終わるまで人間同士の戦争は起こらないとすら言われている。
キャライメージは縛られたヒロイン。
孤独という一点にひたすら脆い女の子。縛っているのは生まれや育てられた過程における価値観としがらみ。誰もが誰かに助けられないといけないくらい弱く、かつ自分の苦しみを振り払って誰かを助けられる強い人間なんだとお姫様と魔法使いの二面を見せてくれた。ミスティだけ三部と七部でメイン回が二つあるのはそのため。伝わってほしい。
カエシウス家は人間と魔法の間に生まれた唯一の家系であり、血統魔法を作った王様と【白姫降臨】のお姫様の間に生まれた子が今のカエシウス家へと繋がった。ミスティが血統魔法との親和性が異様に高いのはそのため。
名前の由来はラテン語で神秘的という意味のミスティカから。神秘的にすら見える美貌や力の奥に等身大の女の子がいる。アルムはそれを見つけてくれた。
・ルクス
四大貴族オルリック家当主。出自ではなく在り方でアルムを追い掛ける事を選んだ男。
卒業後はオルリック家当主となって父の仕事を引き継ぎてんやわんや。それでも妻であるエルミラとの時間はちゃんと作るしっかり者。
アルカ入学時点で子供は三人+エルミラのお腹の中に一人。上からエミリー、アルカ、ロゼッタ。お腹の中の子は名前がまだ決まっていないがアルムにつけてもらう予定。
子供が生まれる度に飛び跳ねて喜ぶのだが、エミリーも一緒になって喜ぶようになり騒がしさが二倍になったので今回はもうちょっと落ち着いてとエルミラに言われたせいか二人で最近しょんぼりしている。
魔法使いとしての腕はトップクラス。父親の豪胆な戦い方とは違うもののオルリック家屈指の腕前として評価をほしいままにしている。
血統魔法を覚醒させている魔法使いなのもあって彼の右に出る者はほとんどおらず、マナリルにいる雷属性の使い手としてはトップではないかと言われるほど。
本人はアルムやミスティの腕が基準になっているので納得いっておらず、向上心も失っていない。
キャライメージは主人公補正のない主人公。
主人公のような才能と血筋を持っているが、幸運は降ってこない。彼の幸運は人との出会いだけ。主人公補正が無いので最初はアルムを頭ごなしに否定するような間違った思考になっていたり、エルミラの激励が無いと覚醒できなかったりする。貴族として誇り高く、それでいて気質は泥臭いそんな子。
作中でよく使う"鳴神"と呼ばれる魔法は雷属性創始者の血統魔法を基に作られたお母さんの家系の血統魔法を汎用魔法に落とし込んだもの。血統魔法ほどの"現実への影響力"はないが対魔法生命の特性を持っている。
名前の由来はラテン語で光を意味するルクスから。泥に塗れても人間として光り輝くような子であってほしかった。
・エルミラ
アルムが成り上がりならこの子は這い上がり。没落から四大貴族と肩を並べるまでになった魔法使い。
卒業後はルクスと結婚し、ロードピス家の当主として下賜された領地運営に奮闘。ダンロード家の支援を受けて日々を頑張りながらルクスとの時間も作っている。
卒業後すぐにエミリーを妊娠してからは自分は子供を愛せる母親になれるのか、あんな母親みたいになるんじゃないか、と不安を吐き出す日々が続いていたが夫であるルクスは勿論ミスティやベネッタに支えられて出産。子供を抱っこした瞬間に不安は吹き飛び、子供を溺愛する母親となった。ママって呼ばせたのはママって呼ばれたいかららしい。
今は四人目を妊娠していて、専属治癒魔導士のターニャや使用人のクーリエ、そしてルクスとエミリーに気遣われながら生活している。
魔法使いの腕はトップクラス。火属性が使える魔法系統全てを使いこなす"万能の使い手"であり、理想的な魔法使いの一人として度々話題にあがる。有利をとるなら水中以外に無いと言われるほど。
本人は防御魔法が苦手と言っているがあくまで他と比べての話であり全然強い。他が120%で防御魔法が99%みたいなイメージ。それは苦手とは言わねえ。
マナリルの火属性魔法使いとしては三指に入るとされる腕前。ファニア、エルミラ、ダンロード家に生まれた天才シュニーカの三人とされる(シュニーカ本人は、私は明らかに数合わせじゃないの、と言っている)。
対人ではファニア、対怪物ではエルミラとされるが界隈では論争の種になるのであまり言わない事を推奨。
キャライメージは強い女の子。
自分の中の強い女の子のイメージそのもの。強いけど恐怖に折れる時もあるし泣く時もある。強いっていうのは弱みがないって事じゃないと思っている。
謝らなきゃいけない子その1。あまりにも厳しいマッチアップが多すぎて毎回ボロボロにさせてしまった。本当にごめん。でも誰かのために戦ってる姿が本当に似合うし、誰かのために戦ってしまう子だから仕方ない。
名前の由来は色々な説があるエルミラという名前から栄光という意味でつけた。没落から汚い事を何もせずに這い上がって栄光を掴むこの子に相応しいと思っている。
・ベネッタ
根性の女。アルム達と過ごす普通の日々のため神の復活を許さなかった聖女。
卒業後はカエシウス家の専属治癒魔導士となり、後にアルムの旅に同行。帰ってきてからは北部の民を癒したり、ミスティの補佐をしている。妊娠したミスティの体調管理をラナと徹底的に行い、妊娠中で紅茶が飲めないミスティのために各地の友人に連絡して代替品を自腹で取り寄せていたりした(妊婦に紅茶はあまりよくないため)。後にマリツィア経由で自腹で買っていたのがばれた。
ガザスから来たセーバと結婚して子供は三人出来る。名前は上からアルブス、クシェル、エメで男の子一人と双子の女の子二人。
聖女と呼ばれる前から自分を好いてくれていた事と両目を失ってもなお態度を変えない一途さに惹かれて結婚し、無事にセーバを尻に敷いている。セーバも満更ではないので幸せそう。
魔法使いとしての腕は他四人に一歩劣るも、血統魔法の厄介さと異常さは随一。
魔力を持っている生命の居場所を感知し、生命である限り対象となる拘束の"現実への影響力"を持つ魔眼。目を開けているだけで魔力を消費してしまうので普段は閉じて杖を突いている(それでも多少周りの人の動きはわかる)。
本人は全く意識していないが、あまりの人体実験の多さから禁忌とされた「魔法による臓器の生成」の現代唯一の成功例。眼球を両方とも魔眼にしているため一部の研究者界隈からドン引きされている。
得意な魔法含め全体的に支援向きの魔法使いで、ベネッタが生きている間はいつでも宮廷魔法使いとして迎え入れられるよう席を常に一つ空けておくとまで言われてスカウトされ続けている。
キャライメージは裏主人公。
主要五人のジョーカー的立ち位置。最初は弱かったが根性で四人と肩を並べた友達大好きっ子。作中アルム以外で唯一"星の魔力運用"を使ったのも裏主人公ゆえ。
謝らなきゃいけない子その2。この作品は勝てない相手には本当に勝てないのでひどい目にあいまくっている。四部で昏睡状態になったり五部で髪の毛千切られながらお腹殴られたり八部で眼球が破裂したりと生々しいダメージが多かった。ごめんね。
もう一つ謝らなければいけない事としてベネッタは生き残るかどうか八部終盤までずっと悩み続けていた。八部終盤に「あ、この子死ぬ気だ……」と思ったのを覚えている。サンキューメドゥーサ。
名前の由来は祝福がありますようにという意味のラテン語であるベネディクトゥスを語源とする名前から。根性で頑張り続けた結果、本当に女神の祝福を受ける聖女に成長してくれた。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
皆様の応援のおかげで未来編含め「白の平民魔法使い」完結となります。
詳細なあとがきは活動報告のほうにあげますので、気になる方だけそちらを読んで頂けると嬉しいです。
ここでは簡潔に読者の皆様に感謝と図々しいお願いを。
ここまで本当にありがとうございました。本作が終わっても執筆は続けますので、これからもらむなべを応援してやってください。そして出来ればアルム達を忘れないでいてくれると嬉しいです。




