表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】白の平民魔法使い【完結】   作者: らむなべ
第十部後編:白光のルトロヴァイユ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

863/1051

取材対象 -フロリア・マーマシー-

「あなた今こんな仕事してるの? 領地継いだんじゃ?」

「別に四大みたいなでかい領地じゃないんだからそっちの仕事しながらでも出来るわ。気まぐれの趣味みたいなものよ。ほら始めましょう」

「うわ……たっかい記録用魔石まで買ってる……。取材にこんなの使うなんて気まぐれじゃなくて本気じゃない……」

「いいから。本日はよろしくお願い致します」

「はぁい。よろしくグレース」



 ――彼の第一印象は?



「監視対象。ほら、当時は私ってカエシウス家の補佐貴族だったからミスティ様に近付いた要注意人物って感じだったのよ。家柄がどうこうとか以前の問題で平民だったのもあってね。

ミレルの事件を解決した辺りで見直したんだけど、それまでは警戒していたのもあってあんまりいい印象は無かったわ」



 ――では知り合ったのは?



「一年生の時のカエシウスの当主継承式……正式なものではなかったから世間的にはグレイシャ・トランス・カエシウス家のクーデター事件って言うのかしら?

当時カエシウス家の補佐貴族って全員グレイシャにいいように動かされててたのね? その関係でベネッタを狙った私達は彼と戦闘になって返り討ち。そこから仲良くなったの。

その前にもちょろっと接触した事はあったけど、監視対象への接触っていう義務的に近かったから本当の意味で知り合ったのはそこからじゃないかしら?」



 ――仲良くなれるような経緯ではありませんね。



「そうなのよ。もう殺されるか永遠に弱み握られてこの先真っ暗とか思ってたけど、ほんとその時いた全員お人好しでね……ベネッタがミスティ様の味方なら許そうよ、みたいなこと言ったら彼もじゃあそれでこの話は終わり、みたいな感じで同じ馬車に乗せてくれたのよ。

信じられる? 誤解していたとはいえさっきまで命狙ってたやつを普通の同級生扱いよ? 彼やベネッタと一緒にいたエルミラだけ納得いってなかったんだけど、それが普通の反応よね。

そっからはもう普通に友達みたいに一緒に動いてたわ。結局グレイシャ達からトランス城を奪還するために共闘までしちゃうんだから人生ってわからないわよね」



 ――彼が解決した事件に度々関わっていますが一番印象に残ったのは?



「うーん、初めて共闘したのもあってカエシウス家のクーデター事件って言いたいところだけど……直接彼の助けになったって意味でやっぱり対大蛇(おろち)の総力戦かしら。

思い出したくない人も多いと思うから詳しくは言わないけど、あの時彼に私にしか頼めないんだって言われたのを今でも思い出せるわ。それで片目は見えなくなっちゃったけど、私にとっては誇らしい勲章なの。モデルの仕事する時とかオッドアイみたいでかっこいいしね」



 ――もし彼に再会できたら何と声をかけますか?



「そんなの決まっているでしょう?」



 ――というと?



「知っている人もいると思うけど私はミスティ様大好きなの。だから、何ミスティ様寂しがらせてるのよって頭を思いっきりひっぱたいてやるわ」



 ……あなたらしいわね。



「彼を尊敬しているし凄い人だって思っているし、色々な意味で感謝だってしてる。これは本当よ。当時から私の能力を私以上にわかってくれていた人だから。

でも、ミスティ様に寂しい思いをさせているのだけは絶対に許さない。ええ……たとえ死んだって、許してやらないわ」



 お答え頂きありがとうございます。

 ではこれで以上となります。今日はありがとうございました。



「あはは、どういたしまして。後何人に話聞きにいく予定なの? ミスティ様とルクスさん、それにエルミラは外せないわよね? 三人共忙しいけど予定は押さえて……あ、そっか。そういうの部外者に話しちゃ駄目なのね。ごめんごめん、じゃあ応援だけしているわ。頑張って」

いつも読んでくださってありがとうございます。

ここからは第十部後編『白光のルトロヴァイユ』となります。

読者の皆様、どうぞ応援のほうをよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これアルム逆にめちゃくちゃ出張してる説あるな
[一言] ええ、、? まさか、、死ぬなよアルム
[気になる点] 「寂しい思いをさせている」? アルム本当に大丈夫か? ベネッタの名前もあがってないし… 何があったんだ… [一言] 更新楽しみにしています。 頑張ってください。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ