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星空のビーチコーミング  作者: 上高田志郎
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 市長が調査団を立ち上げたのは住民の情熱がすっかり冷めきったころだった。櫓の話は今やだれもしていない。

「市長、調査団のことなんですが、どれくらい人が集まると思います?」

「そうだな、十人も集まればいいんじゃないか?」

「もうちょっと早く募集すればまた違ったんでしょうかね?」

「多ければ多いで弊害もあるさ。この時期に参加するということは、それだけ本気だと思ってもよさそうだしな」

「それかほんとのヒマ人か変人のたぐいですな」

 市長は調査団希望の人間が集まっている部屋へ向かう廊下を歩きながらあのいっときの熱狂を懐かしんでいた。

 やはり、今のこの島には熱気がたりない、あの興奮はどこへいったんだ?

 外では雨が降り続けていた。雨は雨でいいものだ、なくてはならないものであることは認めるが、しかしちょっと降りすぎのような気がしないでもない。

 ハンマースは市長の後ろを歩きながら自分がこの調査隊に参加することを命じられるだろうと予想していた。あるいは自分から先にそう言うべきだろうか? あらゆることに積極的になれない自分は、こういうイベントを逃さないほうがいいのだろう。

「市長、やはり調査は春か秋がいいですよね。夏や冬だと体にこたえる」

「うん、わしもそう思っていた。しかし四季なんてもう呼べなくなるな、これからは。二季の年もあれば三季の時もあるかもしれない。四季をもっと分割するかも、あぁ、昔はそうしていたんだっけか? 細かい呼び方もあったような気がするが、とっくに覚えてないな。いずれは四年に一回夏がきたり冬がきたりする時代がくるんだろうな。」

「自然の異常気象と呼ばれているものは人間のせいだという意見もあるようですが、私にはとても信じられませんよ。人間の小ささを考えると、地球に影響を与えるなんてね」


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