force
忙しくて書きたくても書けない!
頑張ります!
「さあ、行くよ!」
僕は進くんに向かって駆け出した。
「来いよ」
進くんが口角を上げながら挑発してくる。
むかつく!
絶対一発ぶん殴ってやる!
進くんまで数メートルまで近づいたところで、跳躍する。
「うおおおおおおおおおお」
その勢いのまま、進くんに殴り掛かろうとする、が
「動きが安直すぎるぞ?」
進くんは身を翻し、僕の拳は空を切った。
そして進くんはカウンターと言わんばかりに、右足で僕の頭に狙いを定めた上段蹴りを繰り出してきた。
――――――だけど
「進くんもなかなかわかり易いよっ!」
それを読んでいた僕は、着地の瞬間とっさに地面に倒れ込む。
そのまま一回転し、進くんの体を支えていた片足を振り払った。
「なっ!?」
進くんが驚愕の表情を浮かべるが、もう遅い。
今だっ
僕はすかさず、倒れ込む進くんと地面の間に割って入り、がっちりホールドする。
そして――――――
「これはちょっと・・・・・・痛いかもねっ!」
そのまま進くんを1回持ち上げ、地面へと叩き落とした。
「ぐっ」
進くんにはかなり効いたみたいで、なにやら呻いていた。
というか効いてもらわないと困る。
これは僕が俊作さんとの模擬戦中に生み出した動きだ。
俊作さんには通用しなかったが、褒めてもらえた数少ない動きの中の一つ。
これが通用しないようなら、契約云々以前に僕は進くんに劣っていたという事だろう。
だけど、やっぱ通用して嬉しい僕はちょっとテンションが上がってたりする。
「はぁ、はぁ。これで僕の勝ちだねっ!」
勝利を確信した僕は倒れる進くんを見下ろし、そう告げるが突然進くんが笑い始めた。
さっきの攻撃で頭打っておかしくなっちゃった??
「ははははは。ここまで強いと思わなかったよ暗来くん。これは契約を行使しないといけないみたいだ」
進くんは楽しそうにそう言った。
「けい・・・・・・やくっ!」
僕は今まで契約者と拳を交わしたことがあるものの、契約を行使した状態での契約者と戦ったことはなかった。
これが、初めて。
そう考えているうちに鼓動が速くなってきた。
だけど・・・・・・絶対勝つ!
「そうこなくちゃ進くん!」
「あぁ、ちょっと待っててくれ」
進くんが目をつぶった。
それと同時に進くんの体からピリピリと放出されている何かが来た感覚があった。
そして――――――
「待たせたな、暗来くん」
そう言った進くんからは、さっきまでと全くの別人のような荒々しさが感じられた。
――――――まるでその力を象徴するように。
「死なないように頑張ってくれ。俺もまだ上手く力をコントロールできる訳じゃないんだ」
「上等っ!」
そしていきなり進くんが消えた。
はっ!?
一体どこに?
その疑問は一瞬で解消した。
――――――後ろから進くんの声がしたから。
「撃撃・・・・・・衝撃っ!」
その瞬間、僕の背中へと繰り出された進くんの拳からとてつもない衝撃が体の中へと駆け巡った。
その衝撃のされるがままに、僕は舞台の端まで吹っ飛んだ。
壁にぶつかり止まるが、全ての衝撃がもれなく僕の体を攻撃する。
「がっ!?」
口から血液が飛び散る。
痛い。痛い。痛い。
なんだ・・・・・・これ?何が・・・・・・?
余りにも重い攻撃だったからか、意識が朦朧とし体が思うように動かない。
「おいっ!?大丈夫か!?」
ぼんやりと進くんが駆け寄って来るのが見えた。
その光景を最後に僕の意識は途切れた。