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ヤンデレ兄とニート妹の相互依存生活  作者: スイレン
連載
6/15

変わる心

今回は浄化回です。

男二人の黒さに比べてこの子は‥‥。

ーー最近、おかしい。


前までなら、兄に抱きつかれても恥ずかしいだけだった。

けど、最近は違う。

抱きつかれると、ドキドキする。

それは、変わらない。

けど、今は。


「観月、何やってるの?」


「!? 兄さん、いきなり抱きつくのはやめて。」


背中から抱きつかれて反射的に拒絶をする。


「えー‥‥。」


兄は不満げな声を出しながら抱きつく腕に力を込めた。

ほんの少し苦しくて、腕を叩く。すると、兄は苦笑して腕を放した。


(あ‥‥。)


離れていく体温が寂しくて、思わず顔を歪める。


「‥‥何でそう‥‥かなぁ。」


「え?」


「何でも無いよ。」


そう、

兄に触れられるのが恥ずかしくて、拒絶するのにーー

兄の手が離れるのが、寂しくて堪らないのだ。


「‥‥別に、嫌なわけじゃ、ないよ。」


ポスリと兄の肩に頭を預ける。

こんな態度も、以前の自分からは考えられない。

兄の体が一瞬身じろぐ。


「‥‥しょうがないなぁ。観月は。」


ほんの少しの身じろぎが、まるで拒絶されているみたいで、なのに、優しく頭を撫でる感触が、とても心地よくて。


(‥‥ねえ、)


兄さんは、私のことをどう思っているの?

邪魔だって、思っているの?

それなら、そういってよ。


(‥‥でも、)


もう、離れる事なんて、できない。


(今は、いいや。)


兄がそばにいてくれる。

それだけで幸せで、私は眠りに落ちていった。


(兄さん、‥‥大好き。)


その想いの名を、知るのはもう少し先のこと。







肩に頭を預け、眠ってしまった観月に、千尋は微笑んだ。


「ーー愛してるよ、観月。」


そう、額に口づけながら呟いて、千尋もまた眠りに落ちた。


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