快楽主義者の不快な日
今回は観月ちゃんお休み回です。
そして今回も残酷ありです。
ーーああ、全く、これだから女は困る。
「知らねーのかよ。あの人はお前たちなんかのことどーでもいいんだよ。むしろ認識すらしてねーよ。」
「うるさいうるさいうるさい!!!
なんであなたがそんなこと分かるのよ!
そんなわけないじゃない!!
だって私はなんでも分かるのよ!!」
「‥‥うっわー。何それ、ドン引きなんだけど。もうしーらね。勝手にすれば?」
「言われなくてもあなたの言葉なんか!!」
そういって去っていく女の後ろ姿を見てため息をつく。
全くーー
「つーわけで、気をつけた方がいいですよー?」
「何のこと?」
‥‥認識すらしてないと言ったがここまでだとは、さすがに思っていなくて思わず眉を顰めた。
「えーとっすね? 最近なんか異変あったっすよね?」
「ああ‥‥。毎日のように観月を傷つける電話ならかかってくるけど?」
「‥‥わーお。」
まさか逆鱗をピンポイントで攻撃しているとは思ってもおらず軽く目を見張った。
「‥‥まあ、観月を傷つけるモノは消すだけだけど。」
‥‥あー、喜べ。
愛しの千尋はお前のことを認識してたぞ、ゴミとして。
まあ、後数日間だけだろうけど。
「そーいえば先輩、俺の名前分かります?」
「狭間君。」
話題の変更も兼ねてそう問いかけたのに、即答された。
引きつる頬を必死で抑えながらもう一度問いかける。
「えーと、俺のなま」
「狭間君は狭間君でしょう?」
‥‥OK大丈夫。
認識されて、顔と名前が一致しているだけマシだ。
ちくしょう。
「あー、うんそうですね。」
今日も空は青い。
「‥‥へ、今なんと?」
「事務課の常磐女史が飛び込み自殺をしてしまったらしくてね、何か知っていることはないか?」
「‥‥えーと、もしかして疑われています?」
「確認だよ確認。君と件の女史が口論をしているとの目撃情報があったのでね。」
「‥‥ああ! あれですか! お騒がせしてスンマセン。まーなんというか‥‥。その、少し思い込みが激しい人だったので注意したら‥‥。」
「‥‥なる程。分かった。下がって良いぞ。」
上司から退出許可をもらい部屋から出る。
全く、こんな早く動くとは思わなかった。
「‥‥まぁったく疑われないんだもんなぁ。とメール‥‥。」
届いたメールを見てため息をつく。
どうやら警察の方でも自殺として処理するらしい。鞄から縄が出て来たことも理由の一つだと。
まあ、あの女は最近色々やらかすことが多かったらしいし、疎まれていた。だから、彼女のことを悪くは言わないにしても悪印象を持つような言い方をしたのだろう。皆。
「やり過ぎないよーに気をつけろ、ねぇ。りょーかいしました。」
クスリ、笑ってスマホをしまう。
目を閉じれば今でも思い出せる。
赤く光る警告灯。
赤く染まる踏切。
赤、あかあかあかあかあかあカアカアカアカアカアカアカアカ!!
あの女に触れるのは本当に気持ち悪かった。
けど、我慢した。
だって、あいつが消えなくては自分の楽しみが消えて無くなってしまうかもしれなかったのだ。
なら、躊躇う必要は無い。
先輩に限って失敗はあり得ないかもしれないが、もしもということはある。
ーーだから動いた。
楽しいことを邪魔されたくない、ただそれだけ。
「セーンパイ。今日もここにいんの-?」
「‥‥ああ、狭間君か。」
いつも通りのいつもの場所。そしていつも通りの話。
ああ、今日も、
世界は残酷で醜くも平和に廻ってる。
「先輩、なんか異変あったっすよね?」
「? ああ、電話が鳴らなくなったね。」
それが?
そう問う彼に新太は嗤う。
「いーや? なんでも?」
今日も、空は青い。
‥‥犯人は新太君でした!!
お願いです、石投げないで下さい((((;゜Д゜))))
出来心だったんです(´;ω;`)
反省はしている。後悔はしていない(`・ω・´)キリッ!!