St.Valentineday
今日はバレンタインデーですねー。
生憎、作者にあげる予定の人間は家族しかおりませんが。
今日は聖者バレンタインの命日でもあるので、ヤンデレ成分控えめでいきたいと思います!!
ーー2月14日、今日は何の日か、知らない人間など存在しないだろう。
今日は、バレンタインデー。大切な人にチョコをあげる日。だというのに、
「どうしよう‥‥。」
観月は頭を抱えていた。
ーー目の前にはたくさんのチョコレシピ。しかし全てなぜかビター系に制限されている。
「うう‥‥!」
レシピ集を睨みつけながら観月は唸る。
今日はバレンタイン。観月は、兄の千尋にチョコを贈ろうと考えていた、が、ここでとてつもない壁に突き当たったのだ。それはー
「くっ‥‥!! まさか兄さんが苦党だったなんて‥‥!」
ーーそう、千尋は、甘い物が大の苦手なのだ。
ソレを知ったのは情けないことに昨日。バレンタインデー特集のテレビを見て「これ、おいしいの?」と問いかけてきたことで気がついた。
‥‥兄は、甘い物が苦手なんだと。
今まで知らなかった。本気で。そして、それがたまらなくショックだった。
兄が苦い物が好きなんだと気がついて、どうせあげるのなら好みに合う物の方が良いと早速苦い系統のチョコを作ろうとしたのは良いものの‥‥。
「‥‥どうしよう。材料、足りない‥‥。」
がっくりとしながら静かに呟く。
色々な材料はあるものの、レシピの大本となるブラックチョコレートがない。
どうしよう、と頭を抱えながら本をペラペラめくっていると一つのレシピが目についた。
そうか、これなら。もしかしたら、大丈夫かもしれない。頬を緩ませながら、観月はチョコ作りに取りかかった。
「‥‥なに、これ?」
仕事から帰り、最愛の少女に疲れを癒してもらおうと自室扉を開けた瞬間、目の前に出された小包を見て目を見張る。
小包の中には、茶色い物体が有り、それが今年のバレンタインチョコであるのは理解した。が、それは今まで見たことが無いものだった。
「チョコケーキよ。‥‥その、兄さん、甘い物苦手でしょ? これね、チョコケーキって言っても、使っているの殆どコーヒーなの。だから、どちらかというとコーヒーケーキなんだけど‥‥。少しだけなのよ、チョコ使ってるの。だから、」
食べてくれる?
そう弱々しげに尋ねる観月を抱きしめる。腕の中で顔を真っ赤にさせながら小さく叫んでいるのを無視し、腕の力を強める。
「なにいってるの? 観月が作ってくれた物、食べないわけないよ。‥‥俺のために、いっぱい考えてくれたんだから。」
カメラで見ていたから知っている。観月が自分のためにどれ程必死で苦い、甘くないチョコを作ろうとしてくれていたことを。
必死で考えていた彼女は、本当に可愛らしかった。
「よかったぁ‥‥。」
安心したように下から自分に微笑みかける観月に軽くキスして、抱き上げる。そのままの体勢で、ベッドに腰を下ろし、膝に彼女を乗っけて、後ろから抱きしめた。
「もちろん食べさせてくれるんだよね?」
にっこり微笑みながら顔を覗き込むと、案の定顔を上気させた観月と目が合った。
あー、とかうー、とかごにょごにょとひとしきり呟くと、おずおずとしながら頷かれる。
それが、嬉しくてたまらなかった。
「えっと、どう?」
不安げに首を傾げながら言う彼女に微笑みかける。
「ん、おいしい。」
そう言うと、嬉しそうに観月は小さく微笑んだ。その笑顔が愛しくて、また、千尋は観月に口づけた。
‥‥あっっっっっまい!!
ヤバイ、溺愛系が好きな筈なのに精神的に書くのがきつい‥‥。
千尋が千尋じゃない‥‥!!




