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アイリスの空  作者: Tandk
第一章
15/38

第14話

「さて、次はお主じゃ」

「はい、マスターガリド」

タクマの次に恵子へステータスを開示するように指示を出すガリド。恵子は指示を受け、ステータスを皆に開示する。


[Basic Info]

Name:Keiko Shinni / 深居 恵子

Race:Lost Human(ロスト・ヒューマン)

Age:35

Lv:10

Sex:Male

Class:Hunter(ハンター)

Role:DPS

Talent:None


[Status]

HP:264

MP:160

DPS:100.3

Ranged Attack Power:88.88

Base Ranged AP:88.88

Bonus Ranged AP:0

Armor98.88

Base Armor:98.88

Gear Armor:0

Magic Armor:0


[Ability]

STR:24

AGI:49.44

STA:26.4

INT:20

SPI:16


[Unique Skills]

Unique Ray Weapon:-

Unique Ray Armor:-

Unique Ray Magic:-


[Attribute]

Main Attribute:-

Crystal Color:-


[Active Skills (Lv)]

Shot(ショット):1

Fire Shot(ファイア・ショット):1

Sneak Shot(蛇の矢):1

Healing(癒しの) Shot():2



[Passive Skills (Lv/Max.Lv)]

1H Sword(片手剣):115/120

Bow():130/130

Defence(防御):73/80



[Weapon (DPS/WS)]

[Rare] Bow of(巫女の) Priestes():80/0.8 Agi+3%


[Armor]

なし


[Professional Skills (Lv/Max.Lv)]

Cooking(料理):105/120

Leather() Smith(製作士):100/100

Black(鍛冶) Smith():100/100

Herbalism(薬草学):65/100


「――ふむ、何ともまぁお主はそこのと違って、器用じゃの。要領もえぇようじゃ」

「そこのって……俺、だなぁ。はぁ」

「タ、タクちゃんも十分に凄いよ! 気を落さないで」

ガリドの、そこの扱いに落胆し恵子に慰められるタクマ。しかしガリドの言うとおり、この限られた期間の中で多才ぶりを発揮している恵子と比べたら、その扱いにも納得が出来る。

そもそも、元々の出来が違うのだ。何のとは言わないが。

『ご主人! ご主人はとっても尊敬できるご主人なのです! 保証するのです!」

「あ、あぁ。ありがとな、ソル」

ソルが懸命に主人をフォローするが、主人の身としては飼い犬にフォローされる時点でお察しである。

「ともかくじゃ、お主が製作した弓じゃが、等級がRare(レア)なのは上々じゃ。まだ鍛冶師スキルも低Lvじゃというのに、大したもんじゃ。儂の提供した素材を使うとったとしても、な」

「ありがとうございます、マスターガリド。お陰様で何とか一本、理想通りの者を拵える事が出来ました」

「うむうむ、良いのじゃ。当面はお主の武器の更新は必要無いじゃろう。その間に、防具製作も身に着けると良いじゃろう。何、お主ならすぐじゃろうて」

「はい、マスターガリド。私は重装備には適性の無い様ですので、Leather() Smith(製作士)で自作して革装備で身を固めたいと考えています」

「うむ、それが良いじゃろ」

この世界イリスに存在するすべての物には等級が存在する。それは主に希少性を指すが、その者が保持するレイの保有量の質や密度を示す場合もある。ちなみに、この世のすべての物はメニューを扱えるものであれば、その物の情報――名前や能力値、付与効果など――を確認する事が出来る。

等級には主に低い順から、Normal(ノーマル)Common(コモン)Uncommon(アンコモン)Rare(レア)Unique(ユニーク)とある。恵子の製作した弓はRare(レア)なので、その希少価値は高い。

但し物にも等級だけではなく格があり、格の低い――低Lv者が使用可能な――武具と、格の高い――武具では、当然格の高い武具の方が基本的に性能は高い。要は、この先等級がRare(レア)じゃなくても高Lvの弓の方が威力には期待できる、という訳である。

「タクマ、言い忘れておったが。お主は当然重装備の適性はあるが、革装備ほど手軽に製作できる物では無い。材料を自力で集められるようになるのも、当分先じゃろう」

「はい、承知しています」

「じゃが、防具なしじゃと恵子よりお主の方がArmor(防御力)が低いままじゃ。防具があればあっさりひっくり返るがの」

「はい」

実際、素のステータスのままでは軽装を基本とするクラスである恵子に比べ、現状では不思議とタクマの方が低いのだ。後衛職より防御力の低い前衛職――正直、これはいただけない。

「かといってこのままなのも難儀なもんじゃ。じゃから、道中のとある場所で防具を確保せい。それが最も手っ取り早いじゃろう。当然、ちゃんと用意するまでの繋ぎじゃがな」

「……確保、ですか?」

「うむ。まぁ詳細は後でええじゃろ」

「そうですね、では後程改めてお願い致します」

ガリドの言葉に、確保の手段についてどんなものか想像しながらタクマは頷いた。――手荒な方法じゃなかったら良いなぁ、などと淡い希望を抱きながら。

「うむ。――すまんの、では恵子の話に戻そうかの」

「はい、マスターガリド」。

話は恵子についてへと戻る。

「お主の製作した弓じゃが、武具性製作者のスキルレベルが低い内に、等級の高い武具が製作できた場合じゃが……その場合の殆どが、その武具の性質は製作者本人の性質を表している事が多い」

「そうなのですか……では、その性質とはやはり――」

「うむ、癒しの力じゃろうな。お主の|A(Active)|S(Skill)のHealing(癒しの) Shot()は、その弓に慣れたら出来るようになったのじゃろう?」

「はい、そうです。弓でタクちゃんと狩りをしている際に、自然と出来るようになりました」

恵子の持つHealing(癒しの) Shot()は、癒しの力を矢の形にして飛ばすことができるスキルだ。タクマ達との狩猟の最中、傷ついたタクマ達の傷を癒したいと考えていたら、いつの間にか出来るようになっていた。

「うむ、やはりか。恐らくじゃが、そのBow of(巫女の) Priestes()に宿った性質を刺激を受け、お主が能力に目覚めたのじゃろう」

「――なるほど」

「そして、その弓の性質とは即ち、お主自身の持つ性質でもある。つまりは、お主には癒しの力があるという事じゃの」

「やっぱり、そうなのですか」

「ふむ、流石にお主は気づいておったか。お主のクラスはHunter(ハンター)が発言しておるが、Healer(ヒーラー)系統のクラスにも適性を持っておる。この先Lvが上がれば上級クラスあるいは固有クラスになれるかもしれんの」

「上級クラス、ですか」

「うむ。才能あるものは九種ある基本職のLvが上がると、その才能によって上級職や固有職になる場合があるのじゃ。もしかしたらその弓の名前、Bow of(巫女の) Priestes()にある巫女のクラスを得るかもしれんの」

ガリドはそう話すと気楽にふぉっふぉふぉ、と笑い声をあげた。

「私が、巫女ですか。少し、気恥ずかしいですね」

「なに、あくまでも可能性じゃ。慢心することなく研鑽しておけば、結果は後からついてくるわい」

「それも、そうですね。ありがとうございます」

「うむ。――さて、お主らのステータス確認は良いじゃろう。然るに――」

『待ってなのです! まだなのです!!』

ガリドが二人のステータスからアドバイスを終え、締めくくりに入った。しかし、次の出番は自分だとウキウキ尻尾を振りふりしていたソルが、ガリドに待ったをかけた。

「――犬っころか。すまん、忘れとったわい。じゃが、お主にできる助言は無いわい。お主の能力はお主の成長でしか成立せぬ。精々、栄養付けて鍛錬に励むことじゃな」

『――しょびょん、なのであります……』

「ま、まぁまぁソル君。私が後できちんと見てあげるから、ね? それとも、私じゃ不満かしら?」

『そんな事は無いのであります! 奥様、宜しくお願い致しますなのです!』

「えぇ。任せてね」

ガリドの言葉に大きくダメージを受けたソルであったが、見かねた恵子が助け船を出す。タクマはともかく、恵子ならばある程度の助言は可能であろう。

恵子の言葉に、ソルはあっさりと元気を取り戻していたが。

「ま、そんなわけで、じゃ――」

ガリドが気を取り直して話を続けようとしたその時。


『――そこの四人、武器を地面において一歩下がれ。動くでない』


――高らかで涼やかでありながら、威厳のある声が大音量で頭上から虹色の光のカーテンと共に降り注いだ。

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