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夢現
目覚める前、見ていた夢の名残だろう。
とても怖くて仕方ない。
ただ何が怖いのか、思い出せない。
胸だけが焦りを伝え、体だけが震えを伝える。
耳に遠い声の残響が意味を為さない罵声の名残を感じさせる。
触れて欲しい。そう願う一方で
触らないで欲しい。応えられないと閉じ籠る。
体が伝える言葉を誰かに読み取って欲しいと願い
勝手に解釈するなと身勝手な罵声を浴びせる。
体越しに震える心に手を伸ばし
添えて手を当てて
小さく息をする。
目に浮かぶ白い息を眺め
命を確かめながら
息を数えて
呼吸を合わせる