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『場面切取』  作者: さぼてん。
4/6

夢現

目覚める前、見ていた夢の名残だろう。

とても怖くて仕方ない。


ただ何が怖いのか、思い出せない。


胸だけが焦りを伝え、体だけが震えを伝える。

耳に遠い声の残響が意味を為さない罵声の名残を感じさせる。


触れて欲しい。そう願う一方で

触らないで欲しい。応えられないと閉じ籠る。


体が伝える言葉を誰かに読み取って欲しいと願い

勝手に解釈するなと身勝手な罵声を浴びせる。


体越しに震える心に手を伸ばし

添えて手を当てて

小さく息をする。


目に浮かぶ白い息を眺め

命を確かめながら

息を数えて


呼吸を合わせる

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