第4話
時間が進みました
流血はありませんが、ケンカのシーンはあるので苦手な方は注意
ルティは、街におつかいに来ていた。
あのあと、地図の通りにいくとキャンベルの館という孤児院のようなところへついた。そこの院長は特に詳しい事情を聞くわけでもなく、ルティを受け入れてくれた。キャンベルの館では、剣の使い方や対術の教育も行っていて、ルティはどんどん強くなっていった。
と、そんなことを思い出していたら、近くに男が女の子を囲んでいるのが見えてきた。
あれ、女の子嫌がってんじゃん。あの男たち人身売買とかやってる奴らだな。
いっちょ助けますかね。
「ねぇ、あんたたち。その子嫌がってんじゃん。話してやれよ。」
「あぁ゛?うるせぇ、ガキは黙ってろ!」
イラッ
「さ、行こうか、お嬢ちゃん。」
「いいところに連れていってあげるからねー」
「さあ、こっちだよ。」
「あ、あの…やめてくださぃ…」
女の子は必死に抵抗するが、大の大人の、しかも男の力に敵うわけがない。
あーもう、イライラするなー!
「ちっ…そのきたねぇ手を離せっつってんだよ。」
そう言ったかと思うと、ルティは男に殴りかかった。
「ぐあぁ!」
男が一人倒れると、あとの二人は少したじろいだが、すぐに立て直すと二人いっぺんにルティに襲いかかった。
「二人がかりかよ。だっさ。つか動きとろい。」
ルティは二人の間に入ると両肘をそれぞれの脇腹にめり込ませた。二人は気絶した。
「よっわ。」
そう言うと、ルティは男を道の脇まで蹴った。通行の邪魔だからだ。
そして座り込んでしまっている女の子に手を貸して立たせると、
「こわかったね。もう大丈夫だよ。ほら、家に帰りな。
「あ、はい!ありがとうございました!」
先程とは全く違う口調で話しかけた。
女の子が帰っていくのを見届けると、おつかいを済ましてルティもキャンベルの館へ帰っていった。
「あ、ルティ!」
「おーエミリ。ただいま。」
「おかえり。ん?ルティ、またケンカしてきたでしょ。」
エミリはルティの服に着いていた砂をみて言った。
「あぁ、これか。違う違う、今日は女の子を助けただけ!」
「また危ないことして!」
「あはは、ごめんごめん。」
「まったくもう…」
さっき母との別れを思い出していたせいか、エミリに説教されながらも、ルティは平和だなと思った。
今このキャンベルの館にはルティとこのエミリと院長しかいない。だからエミリとルティは年が近いこともあり、とても仲がよかった。
「エミリ、院長はいる?」
「院長?たぶん部屋にいるよ。」
「そっか、わかった。ありがとう。これ、頼まれてたやつ。ちゃんと買ってきたよ。」
「あ、うん、ありがとう。院長とお話?」
「うん、そろそろ私もここを出ようと思って。」
「そっか…寂しくなるね。」
「なーに言ってんの。エミリも近いうちに出るんでしょ?」
「そうだけど…」
「じゃ、私ちょっと話してくるね。」
「うん、いってらっしゃい。」
エミリに見送られてルティは院長の部屋を訪ねた。
――コンコン
「ルティです。ちょっといいですか?」
「あぁ、ルティか。おはいり。」
「失礼します。」
院長は30代前半くらいの男性だ。院長のわりに若い方だとルティは思っていた。
「どうしたんだい?」
「私、そろそろここをでようかと思います。」
「ほう。どうしてだい?」
「私はもう15才になりましたし、森に昔住んでいた家があるのでそこで暮らそうかと。」
「そうか…まあルティは十分強くなったしな。私は応援するよ。」
「ありがとうございます。明日には出る予定です。」
「そうか、ならこちらも準備しておくよ。」
「よろしくお願いします。」
話を終え、ルティは部屋を出た。そのあとエミリにも明日出ることを伝え、夕食を食べた。ここを出るのは少し寂しいけれど、いつでも来れるし早く母のもとへ帰りたいという気持ちが強かった。
ルティも15才になりました。ちなみに、お母さんと別れたときは6才くらいの設定です。
第三者視点だったりルティ視点だったりして読みにくいかもしれません…
すいませんm(__)m
次の話は森に帰る予定です。