同居開始したら生活がエラー連発なんだが
――翌朝。
俺は、パンケーキの香りで目を覚ました。
「おはようございます、殿下。今日のパンケーキは“恋するブルーベリー味”です♥」
「おはようございます、殿下。私は“理性で焼き上げた抹茶クリーム味”を」
「料理でバチバチすな!! ていうかなんだよそのネーミング!!」
そう、俺は今――
元婚約者リリィ(超有能お嬢)と、
ピュア系物理ヒロイン・エミリア(バット装備)と、
王城内での“共同生活”をしている。
俺ルートを選択した結果、全てのフラグが融合してしまったからだ。
「ちなみに今朝の紅茶は、“アサシンされた未来”という名の茶葉を使用しました」
「私は、“見えてる地雷”をチョイスしました☆」
「飲みたくねえよ!!!!!」
さらに追い打ちをかけるように――
\\【世界観調整エラー:副作用発生】//
\\【日常にバグが混在しています】//
「ちょっと待って!? なにその副作用!?」
その後、執務部屋の扉を開けると、なぜかそこには**“異次元バグカフェ”**が展開されていた。
店員A「ご注文は?」
アラン「俺の部屋返してェェェェ!!!」
■その日のバグ日報(ほんの一部)
・歯ブラシが自動戦闘モードになり前歯を粉砕しに来る
・鏡を見ると**“前世の自分”が愚痴ってくる**
・財宝を磨いたらシステムデバッグ用ウサギが出てくる(無言で爆発)
・王宮風呂で勝手に温泉イベントを発動し、全裸でエミリアと遭遇(ムフッ♪)
そして毎夜、2人が俺の部屋のベッドを“どっちが使うか”で仁義なき争い
アラン「いやいやいや....俺が使うだろ!!!!!!」
「アラン様、この状況……やはり世界の修正、未完了のようです」
リリィは冷静に言う。
「つまり……まだこの“俺ルート”、正式実装されてねぇってことか!?」
エミリアはバットを持ち上げる。
「なら、アップデートしに行きましょう。この世界の“管理者権限”を取りに」
アラン「お前ら、ほんとにヒロインか!?」
世界のバグを正すには、元の管理者権限を取り戻すしかない。
俺はリリィ、エミリアとともに、王都の“地下99階、旧サーバー室”を目指していた。
王都の地下に突入した俺たちは、さっそく異常に遭遇する。
壁から突き出した“選択肢型トラップ”。
「→左に進む」
「→右に進む」
「→唐突に告白する」←
「・・・好きだ・・・」
ポッ!ガーーーーーー
『誰だこの選択肢混ぜたやつ!!告白したら壁が赤面して開いたぞ!!意味わかんねぇ!!!』
さらに進むと、謎の少女が現れた。
「あなたが……“管理者候補”ですか」
白髪ロング、クール系。
手にはノートPC。胸には**「サブ開発AI No.7《クラリス》」**の名札。
「えっ、AI!? ていうかヒロイン属性フル装備じゃん!?」
「私はこの世界の“監査ログ担当”です。この混乱の原因、あなたにあると判断しています。ので.....
「処分します!!」
「唐突な死刑宣告やめてぇぇぇ!!!」
クラリスは冷静に言い放つ。
「あなたが“俺ルート”などという非公式パスを使用したため、
世界の構造がフラグ飽和状態に陥りました」
「……確かに、俺が全部欲張った感はある」
「つまり、あなたが元凶です。ですので、処分もとい強制終了します」
\\【クラリスが攻撃モードに入った】//
\\【武器:物理式デバッグ棒(USB付き)】//
アラン「また物理ィィィィィ!!!!!」
そこに、エミリアが飛び出す。
「殿下を処分するなら、先に私のバットを受けてからにしてください!」
そしてリリィが運命制御盤「魔導プログラム」を起動。
「ここまで来て、殿下の責任だけで処理されるなど、私が許しませんわ」
アラン「お前ら……!!! ヒロイン力が高すぎて俺の存在が薄れてきた!!」
三つ巴の戦いが始まる――!!
・クラリス:超理論派、処理優先型AI。全シナリオ記録持ち。
・エミリア:物理。とにかく物理。考える前に叩く。
・リリィ:全魔導コードを掌握。ほぼ神。たまに嫉妬深い。
三人の激突で、サーバー室が崩壊しかけたそのとき……
\\【バックアップファイル再起動開始】//
クラリス「……!? この声は――」
声が響く。
「久しぶりだね、クラリス。
そして、こんにちは、俺の“テストプレイ担当”くん」
スクリーンに浮かび上がる、謎の男の影。
白衣、メガネ、イケメン。圧倒的感。
\\【開発リーダーAI、再起動完了】//