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レガシークエスト  作者: 鯣烏賊
第2の人生の序曲
33/47

試験っ! その6

俺がこの監獄.....................じゃなくて試験会場にやって来てから、実に2週間の月日が経った。


この2週間は...........................まあ、

端的に言えば今後一生、経験したくない。

それはそれは壮絶な日々だった。


朝起きて数分でディラン君に部屋から引っ張り出されて、食堂に連れていかれて朝の6時に朝食(おいしくない)

メニューは確かライスとパンを選んで付け合せを選んでスープを選んで..................みたいな感じだったかな。


そしてその流れで図書館に拉致され、そこからお昼を食べる13時までみっちり座学勉強。

隣にはディラン君がいて、こっちはこっちで別の何かを読んでいるけど、

少しでも俺が動こうとすると「どこに行くんだ?」と咎めてくる。

ので、水を飲んだりお手洗いに行くだけでも怖い。結構怖い。威圧感が。


そしてディラン君のアラームが鳴ると食堂に連れていかれて昼食。

(あんまりおいしくない)

メニューは割と多かった。

人生で初めてカレーライスというものをここで食べたけど、ここで食べたことを後悔した。

美味しいのが食べたい............。


そのあと他のメンバーと合流。

訓練所に行き、その後は日が落ちるまで仮想空間に缶詰だ。

いやあ.....................VRから出た時の「頭は疲れてるのに体は疲れていない感覚」を毎日味わうことになるとは驚きだ。


そして20時前くらいに夜ご飯。

当然、おいしくない(本当に、おいしくない)。

でもここは4人で話しながら夕飯を食べられるから、比較的楽しい時間だった。


21時には皆が皆の部屋に入る。

あとは自由時間。

まあ俺も、風呂に入ったあとは改造され尽くされた頑丈な体の特権を活かして、深夜帯まで勉強していたりもしたけれど。


と、まあ。

こんなスケジュールで2週間も過ごしていたんだ。

以下は昨日の夜、俺たちが食事をとっているときの会話の一部分である。


「.....................お疲れか。」


「お疲れ様、ベロキ君。」


「だいじょーぶ?」


「俺は、寝たい..................。」


なんと、この俺が睡眠不足による疲労に追い込まれる程度にはなっていた。


開始3日目くらいまでは無限の回転力を誇っていた歯車も5日あたりで限界が透け始め、1週間経って勉強中に気絶をしたことでさすがにペースダウン。


結果、昨日の予定を早めに切り上げ、

俺に15時間程度の睡眠時間を与えることで睡眠の帳尻を合わせて今日を迎えることとなった。

おかげで今は元気ピンピンである。


「ベロキ、二度と寝坊しないでよ?」


「それは............うん。ごめん。」


代償として俺はパキケ君が叫ぼうが叩こうがなかなか起きないほど深く入眠(途中でディラン君とパキケ君の寮の部屋が入れ替わったので、俺の部屋にはパキケ君がいる)し、試験当日の説明会ギリギリに起床。

起床時刻は10時45分。

どうやら最初、あまりにも起きない俺は置いてかれようとしていたらしい。

でも俺があまりにも講堂まで来ないものだから、10時30分にパキケ君が部屋に戻ってきて俺を起こそうとしてくれたらしい。


包丁から放たれる命の危機を感じた俺は最速で朝の準備を済ませ、寮棟の6階の部屋から飛び降り(バレたら怒られそう.........)、講堂のある建物まで全力疾走。

俺が扉を蹴破るように開け、2人で部屋に飛び込む。


結果、俺たちが鬼のような形相のディラン君に睨まれながらディラン君とユリさんの隣の椅子に着席したのは、受験者点呼の1分前だった。


「-00001番、ディラン」


「はい」


「-00002番、ユリ」


「はい」


「-00003番、パキケ」


「はい」


「-00004番、ベロキ」


「はい」


順番に席を立ち、前にある机の前に並ぶ。

順番が来ると俺たち1人ずつ机の前で名前が呼ばれ、呼ばれたタイミングで受験票(あのプラスチックのカード)を受付の人に見せる。

そうすると受付の人が何かリアクションをするので、そうしたら自分の席に戻る。


このようにして、俺たちを含む受験者全員の点呼が完了した。


さて、俺たちは今講堂の中にいる。

椅子に座っている。

椅子は2メートルほど間隔が空いていて、手を伸ばしてさらに椅子から身を乗り出さないと隣の人まで手が届かない距離だ。

そしてその椅子たちの手前には、4つ1組の長いテーブルがある。

そのテーブルの上には数枚の紙と鉛筆が2本、消しゴムがひとつが椅子ひとつにつき置かれている。


「それでは試験の注意点について、監督のトケラさん。」


そう。

筆記試験はこのまま始まる。

周りを見渡すと、俺たち4人以外にも、4人1組のテーブルで座っている人達が何人も........................いや、百何十人単位でいる。


「トケラさん」と呼ばれた人であろう、ディラン君よりもさらに体が大きい男性が、講堂の舞台袖から出てくる。

手にはマイクを持っているんだけど、最早手が大きすぎてマイクが小さく見える。

あの人多分、素手で鋼鉄のドアくらいなら凹ませられると思う。

喧嘩売らないようにしよう.................................話す機会なんてないだろうけどね。

トケラさんは前に出てきてお辞儀をした後、


「試験時間は240分だ。

まあ、各々の勉強をしてきていると思うから、実力を発揮できるように健闘を祈る。

以上」


と手短に話して舞台袖に戻って行った。

ん、「トケラ」?

そういえば、ディラン君とユリさんはトケラさんに推薦された、って言ってたな。

じゃあ、あと人に推薦されてここにきてあの人が試験監督で..................。

世間って狭いんだね。


「では、バリケードを下ろします」


の合図で、ウィーン、という音が耳に入る。

そして俺の両隣りにするすると壁が降りてきて、俺たち4人を分断する。

そして俺の前と後ろにも壁が降りてきて、俺の席を陸の孤島にした。

後ろの壁にはドアがあって、ガチャガチャと弄ってみると空いた。


「30分後に筆記試験を開始します。

お手洗いや軽食を今のうちに済ませておいて下さい。

試験5分前には部屋の荷物を撤去させていただきます。」


俺はドアを開けてみる。

同じように部屋が作られていて、講堂を覆っていた。

トイレの標識を見た俺は、一応行っておこうと思ってトイレに行くことにした。











「受験生の皆さんは、勉強道具を鞄にしまって待機してください。

卓上には、こちらから配布した鉛筆と消しゴム、白紙の紙が3枚あることを確認してください。」


ついさっき、スーツを着た男の人が部屋に入ってきて、有無を言わさず俺の持ち物を強奪したのち、卓上にやさ〜しく物を置いた。

卓上にはアナウンス通り、

・刻印なしの鉛筆

・カバーの付いていない消しゴム

・まっさらなメモ用紙3枚

が置かれている。


「5分後に試験を開始します。」


のアナウンスで再びさっきの男の人が入ってきて、俺に丁寧に冊子を渡してくる。

表紙には長い試験名と問題用紙の文字。


「中に解答用紙も同封してある。

質問があればドアのベルを押せ。

監視しているからくれぐれもカンニングするなよ?

...............問題用紙もチャイムがなるまで開けるな。いいな?」


「は、はい」


有無を言わさない態度に、俺は首をガクガクと縦に振る。

態度に満足したのか、男の人は部屋から出ていった。


いや、なんでこんな怖いのこの人。


一先ず、俺は席について表紙に書かれた注意事項を読む。


・問題1〜17の構成です。乱丁、落丁などあればドアのベルで担当者に知らせなさい。

・試験を開始したら名前と受験番号を記入すること。未記入は採点対象となりません。

・試験時間は240分。その間、部屋から出ることは禁じます。

・カンニング等不正行為が発覚した場合、厳重な処罰を下します。


※本試験は、不正行為を防止するために敢えて筆記型試験となっています。ご容赦お願いします。


【ゴーーーーーーン!】


チャイムが鳴った。

筆記試験の試験時間は240分。

よぉし!精一杯頑張るぞ..................



問題1

【形式:一問一答】

〈〉に当てはまる語彙または文章を答えなさい。

(1)以下、怪獣被害不干渉法の抜粋である。

当てはまるものを答えよ。



あー............初っ端から苦手なのが来た。


改造人間ベロキのココがスゴい!

(※ディランたちは何も知らないのでベロキのイカレ具合に終始ドン引いてます)

・睡眠時間は3時間でいい

・暗闇でも目がよく見えるので、ベッドの中で勉強できる

・集中力が途切れない

・意図的に味覚をオフにできる

・こんな生活をしても肌が荒れない

(まだまだある)


代償

・背 が 低 い



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