厭世主義の孤独事
いつからあったかわからない、不定形には届かない。
ずっといて、ずっといない。
そんなのが俺だった。
それで良いと思ってた。
存在意義なんてなかった。
『不服』はいいなぁ、起きたらなにかに怒ってる。他のみんなが怒らない為に。
『同情』は優しいなぁ、可哀相をほっとく事を絶対にしないし、見逃すこともない。
『楽観』はいいなぁ、なんも考えてなさそう。
『焉黙』はいいなぁ、もう生きてないけど。
『不定形』はいいなぁ、俺を嫌ってる。殺意って凄く生き生きしてる。
『侵食』はいいなぁ、他人の思考にちょっかいかけれて。
『愛欲』はいいなぁ、人に飢えるなんて素晴らしい感情じゃないか。
『軽薄』はいいなぁ、なんかすぐ狂うけど。
『不安』はいいなぁ、彼女は間違えない。
『暗転』はいいなぁ、俺もあんな風に閉じこもりたいよ。
『悪意』はいいなぁ、みんなの中で一番人間臭い。
『喪意』はいいなぁ、虚無でも心が埋まってる。
『妄執』はいいなぁ、起きても寝ても夢見てる。
でも、みんな一人じゃ生きれないんだよなぁ
不服をぶつけてばかりでは孤独で死んでしまう。
同情してばかりでは騙されて陰謀論者行きだ。
楽観思考は良いことだが、能天気と思われれば嫌われてしまう。
何も言わない者は、、御察しの通り。
不定形では人の印象に残らないだろう。
侵食は侵食するものがなければ何もできない。
愛欲で腹は膨れぬ。
軽薄な者は嫌われる。
悪意は世間に殺される。
喪意はいつか俺みたいになってしまうよ。
妄執はいつか大きく間違えるさ。
みんな欠けてる。
でも、みんなで生きてる。
焉黙が消えて、制御が消えてから
なんだかみんな必死だな。
どうせ生きる意味なんて無いのに。
馬鹿馬鹿しい。
俺は何もしたくない。
この体なんざ勝手に死んでくれ。
別れてしまった者は、名前がついてしまった者は、元には消えないのだから。