表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

落ち葉

ある日、橋から落ち葉が川へゆっくり落ちた。あの人は落ちゆく小さな僕を何気なく見ていた。可愛い犬でも猫でもない、人間でもない僕を助けるわけなんてなかった。川の静かな揺らぎで海へ段々と流れる。僕がいるこの川はとても綺麗で太陽で照らされて輝いていた。その中には生物もたくさんいた。生きているものを感じながらやがて海へついた。

海をぐんぐんと突き進んだ。川とは違うスピードでぐんぐんだ。人々が船の上で魚を釣ろうと必死になって釣竿や網を下げている、僕はそれを避けるように通り抜けてその船が保管されている港へついた。新しい国は僕が想像してたような綺麗な国ではなかった。人々は酷く貧しい生活をしていた。あの船には大量の魚が乗っていたがあれを食って生活をしているのではないのだろうか?いや、違う、あれは違う。きっと。

あの船に大量に乗っていたのは確かに魚だ、でも死んだ魚だ。わざわざ見渡さなくともわかった。この海は汚染されているのだ。恐らくこの国はそのゴミ問題で苦しんでるのだろう、そうでなければ周りにプカプカと浮かんでいる魚の死骸にも説明はつかないだろう。この国は魚を主食にしているのだろうから海にゴミを撒くような意味のないようなことはしないのではないか?まるでそれは死んだ生き物に餌を撒くような意味のないことだ。少し考えればわかる。ならばこのゴミはどこから来たのだろうか?それは他国である。僕があの川からこの国の海へ来たようにゴミだっていつか流れつく。それを魚が食べて魚をダメにしているのだ。僕はその瞬間人間がとても憎くなった。この思いを表現することはできない、むしろ流されるまま、また新しい国へゴミと共に向かうことしか僕にはできないのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ