#0 正体不明/アンノウン
校舎が倒壊して、瓦礫だらけ。
血煙で空気が真っ赤なその場所で、色髪学園生徒会長:プラチナ・ブロディエールは、満身創痍で頭から血を流していた。
戦闘による負傷。
突如として得体の知れない巨大な生物に遭遇。
さっきまで、それと対峙していたのだ。
生徒会長であり、色髪学園最強を自負するプラチナは、自身がどう他の生徒たちを守り安全に逃すかしか考えていなかった。
現在進行形で死の予感に身を突かれ続けていようと、我が身かわいさで引き下がることなどは考えていなかった。
しかしそんな恐ろしかった謎の巨大生物は......今となっては地に伏し息絶えていた。
怪獣を倒した剣士は......プラチナではなかった。
「何、あれ......」
プラチナはついそう呟いた。
そこに居たのは、別の怪物と呼ぶに相応しい人物だった。
いや、人と呼ぶには凄まじすぎた。
漆黒の髪をおどろおどろしく揺らめかせ、鬼神の如きすまさまじい力と流れるような剣技で怪獣を切り伏せたのだ。
その人物もまた、得体の知れない存在だった。
するとその漆黒の正体不明の瞳は、ギロリとプラチナに向いた。
その瞬間、一瞬にして目が覚める。
「っ......!?はあ、はあっ、はあっ......!」
眠っていたプラチナは急いで起き上がり、あたりを見回した。
彼女がいたのは病室......ではなく自室のベッドの上だった。
「夢......。」
プラチナはつい自身のおでこを撫でる。
その手を見るが、血はついていなかった。
パジャマを脱ぐ。身体のどこにも、最近できたような生傷は見られなかった。
「やっぱり、夢かあ......」
ちょっと残念そうな声色で呟いて、彼女は制服を着る。
「湧く......」
そう呟きながら両手のひらを見つめると、一度握りしめ、そして開く。
自身がその漆黒の存在の凄まじい強さにちょっと心がわくわくとしていたのだと、彼女は自覚すると「これじゃ特撮ヒーローが大好きな子供みたいじゃないか!」と独り言を言ってしゃがむ。
紅潮する顔を両手で隠した。
「......よし、次あの怪獣や漆黒の剣士が夢に出てきた時には、私が勝てるくらいの確信を現実でつけないと。」
立ち直るなり、今後の鍛錬への決意を、彼女は自身に宣言した。
「いってきます」
一見誰もいない部屋にそんな挨拶をすると、プラチナ・ブロディエールは扉を開けて学校へ向かった。
以降のお話は全て、1話3000字前後です。(このお話の3~4倍くらいの長さ)




