芋虫
スキルがあるとはねぇ。
最高かよ‼
いやー、まさかのスキル‼スキルがあるなんて。
なんて最高な世界なんだ‼……。
あ、まだ芋虫いるんだった。
あー、テンション下がったわ。
じゃなくて、元々はこいつをどうやって殺ッ……倒すかって話だった。
うーん。
今思い浮かんだのは2つ。
1個目は、頭突き。
攻撃力ありそうだし。
2個目は、くちばしでグサッと。
これも攻撃力ありそうだし。
でも、あれをくちばしでグサッはさすがに嫌だ。
ってことで、頭突きしまーす。
ちょっと下がってっと。
はぁ……。
いきまーす。
勢いをつけて芋虫の方に突進。
ぐにゅっていう感触と共に緑の液体が芋虫から飛び出す。
イヤー‼
かかった⁉
なんかかかった⁉
キモー‼
ヴッ……。
で、でも芋虫に止めを指すことができた。
『経験値を獲得しました。』
『スキルポイントを獲得しました。』
『現在のスキルポイント所持数は213PTです。』
……。
スキルポイント、だと⁉
スキルポイントと言えばあのスキルをポイントと交換できるやつか⁉
最高かよ‼
ん?でもどうやって使うんだろう……。
スキル名とか言うのかな。
言えないけど。
まあ鳥だし声だしたところでぴーぴーしかいえないけど。
うーん。
鑑定とか?
ピコンッ
『スキル[鑑定LV1]はスキルポイント100使用して獲得できます。』
『スキル[鑑定LV1]をスキルポイント100使用して獲得しますか?』
あっ……。
すごい便利なのね、この世界。
もちのろんで獲得しちゃいます!!
『返信を確認しました。』
『スキル[鑑定LV1]をスキルポイント100使用して獲得しました。』
『スキルポイント残量は113です。』
やったー‼
スキルだー!!
早速使おう‼
使い方って、どういう感じたろう。
やっぱ無難に鑑定って言うのかな。
鑑定!!
『何かの壁』
ん???
なに今の?
バグかな?
別のでもう一回‼
鑑定!!
『何かの芋虫の死体』
はぁ?イラッ‼
鑑定!!
『何かの鳥の巣』
チッ‼
鑑定鑑定鑑定鑑定鑑定鑑定鑑定!!
『何かの壁』
『何かの壁』
『何かの壁』
『何かの壁』
『何かの壁』
『何かの壁』
『何かの壁』
アァァァァァ‼
まじで言ってる?
なんの壁だよ‼
おい鑑定!!
お前の存在意義はなんだ‼
何かの壁⁉見りゃわかんだよ‼
はぁ、マジ損したー。
まさかの鑑定がゴミすぎた。
あーイライラする。
『使用量が必要量に到達しました。』
『スキル[頭突きLV1]を獲得しました。』
『使用量が必要量に到達しました。』
『スキル[痛覚耐性LV1]を獲得しました。』
あ、ずっと飛びながら壁に頭突きしてたらスキルゲットした。
ナイスすぎる自分。
ってかスキルってポイント使わなくてもゲットできるんかい‼
なんのためのポイントだよ‼
てか頭突きもスキルなのか。
何でもスキルじゃんこの世界。
じゃあくちばしで攻撃すんのもスキルなのかな。
それっぽい名前言えばさっきみたいになるかな。
まあやってみよう、っていってもなんも思い付かないんだけど。
うーん、名前なんだろう。
くちばし攻撃……あっ、つつくとか?
……。
違うか、さすがにダサすぎるもんね。
っていっても他に思い付かないしなあ。うーん。
……。
まあいっか。
てかさっきからずっと飛んでるから腕が限界に近い。
飛べることはわかったし、いったん巣に戻ろう。
うげっ巣に芋虫の死体あんの忘れてた。
そういえばなんか臭うし。
最悪すぎる。
安定の短さ