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memories dive〜メモリーズダイブ〜  作者: しょーごーる
1の意義
7/17

7話 1の意義 後編

あの日。あいつは教室でノートにひたすら何かを書き続けていた。あいつは、不器用だったんだ。凄く…



ー俺は、バカだから、とりあえずノートに書きまくることにした。

まず、俺は野球部が好きだ。でも、言葉で表すのが下手なんだ。だから、1人よがりのエースになっちまった。

でも、仲間のことを考えられていなかったのも事実だ。自分のことばっかで、いいピッチングすれば周りも信じてついてきてくれる。そう思っていた。

でも、何も知らなかった俺は、いつの間にか皆を傷つけていた。俺のせいであいつらは傷ついていた。

バカだった。俺は気付いたら「1」という数字に拘り(こだわり)すぎていたのかもしれない。

そして、菊池に言われちまった。『部をやめろ』って。あいつに言われちまったんだ。流石に苦しかった。


菊池には分かってもらえると思ってたけど、あいつにも辛い思いさせちまってた。俺は、本当にバカだ。

菊池、ごめん。もっと俺は仲間を、お前を信じてプレーすれば良かったんだな。エースなんかいらない。周りからの賞賛なんていらない。

ー菊池とバカやりながら競い合ってたあの時に戻りたいー


くそおおおぉおおおおお!まだ書き足りねえけど、うまく書けない!!!

とにかく、とにかくだ!!

昔に戻るなんて、そんなマンガみたいなことできねえし、これから野球部でお前と楽しくやってみせる!


・超重要!俺の仲間になる計画


あいつらの特徴


金沢

オタク →アニメを見て感想教える

あしはやい


山田

筋トレ好き →筋トレ本買う一緒に筋トレ


近藤

原田が好き→アシストしてあげる


菊池

ごめんごめんごめんごめんごめんごめん!!!!!!!!!!!!!!!!




今度、キャッチボールやりてぇな… ー






「ポタっ、ポタポタ」


菊池から涙が溢れる。


『菊池…。浅野さ、言ってたんだよ。「俺は辞めたいんだよ…独りよがりのプレーを」って。どうすればチームに溶け込めるか、ずっと悩んでたんだな。あいつ、バカだからさ。』


俺が横から伝えた。


『あいつ…マジでバカじゃねえの。どう考えても…俺が悪いだろ。お前が悪いところ無いだろ。俺の…せいだよ。浅野…。

ごめんごめん!!!!ごめん!!ごめん!!』



『俺も…また…お前とキャッチボール…やりてえよ。』


『…やろうぜ、菊池。キャッチボール。』


聞き覚えのある声がした。


『あ、浅野…?』


浅野がゆっくりと菊池に近づく。


俺が菊池の肩に手を置いて伝える。


『浅野さ、近くに居たんだよ。仕事してた。今日、グラウンドに来てもらうようお願いしといたんだ。』


浅野が菊池の目の前で頭を下げる。


『菊池。ごめんな。俺のせいで、お前が野球嫌いになっちまうところだったよな。ごめん』


『バカ!何言ってんだ。俺のせいだろ。お前のチカラに嫉妬してたんだ。だからあんな最低な言葉を浴びせちまった。本当ごめん。浅野、ごめん!』


菊池も頭を下げる。


『…おい。お前ら2人、バカなんだろ?』

『え?』


浅野と菊池は、揃ってこっちを向く。


『だったらよ、言葉じゃなくて、ボールで語り合えよ。夜になったらボール見えなくなるぜ?』


『おーーいーーーー!みんなぁ!!』


奏太が野球部を連れてこっちに来た。


『ほらほら!練習始め!!』


それと同時に浅野と菊池を野球部が巻き込んでキャッチボールをする。


いつもの練習。いつもの掛け声。

でもそこには、チームがあった。

お互いを信頼しているチームが。


『おい!浅野!』

『なんだ?』

『たまには来いよ。練習。』

『え?』


『気付いたんだよ。エースってのは1人じゃなくてもいいんだって。』


『俺とお前、2人でエース!そんな気がした!』


『なんだそりゃ。適当だな!でも…いいな。2人のエース!』

『おう!』


そんなバカみたいな会話をしながら、あいつらは、声が枯れるまで練習をした。






ー数日後ー


9月下旬。残暑。

まさに「暑さが残っている。」

9月でこの暑さはやばい。大丈夫か地球。


『ちょっと!何してんの?もう少しで授業始まるよ?』


亜沙美が相変わらずの声で近寄ってくる。


『ああ、わかってるよ。』


『そういえば、浅野くん。たまに野球部行ってるらしいよ?練習参加してるんだってさ!』

『へぇ、そうなんだ。』


そう。あいつらは完全に「チーム」になった。

そして、菊池も完全復活した。最近は絶好調なんだとさ。


『単純だよな、あいつらって』

『ちょっと!そんな言い方ないでしょ!』

『でも…さ。なんかいいな。チームって。』

『…そうだね。』



人は、ほとんどの人が1番に拘る。

でも、1人で1番にならなくてもいいのではないだろうか。

完璧な奴なんかいない。何処かに必ず弱い部分がある。だからこそ、それを埋め合う「仲間」がいる。その形も人それぞれなんだ。

俺は、そう思う。




1の意義 完

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