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memories dive〜メモリーズダイブ〜  作者: しょーごーる
呪いの救済
13/17

6話 悪夢

『はぁ、まだ若いのにねぇ…事故なんて可哀想に…』


『いや、それがね、ただの事故じゃないらしいのよ』


『え、どういうこと?』


『あの子の友達が自殺しようとしてたところを、たまたまあの子が見つけてね。助けようとして、代わりに車に…自殺しようとしてた友達は無事だったらしいんだけど』


『え?じゃあ、その友達の代わりに亡くなったって訳?酷い話ねぇ。で、そのお友達は今日来てるの?』


『いや。その日以来家に閉じこもってるらしくてね…。ショックで喋る事もできないって。

名前は…確か…珍しい名前だったと思うんだけど…えー…と。

あっ、そう!思い出した』





『カサハラ シオンって子よ』

……

……

……

……


『はっ…』


急に現実に戻されるように目を覚ます。

周りを見渡す。

ここは…そうだ。ホテルでションの帰りを待ってるんだ。


『いつのまにか寝ちゃってたんだ…。

なんで今更こんな夢を…』


私の最悪の思い出。まだ、ションが大嫌いだった時…。思い出すだけで苦しくなる…あの事故…


『あー、やめやめ!忘れよ忘れよ。今何時かな…。』


そんな独り言を呟きながら、時計を見る。

19時16分…あれからもう5時間以上は経ってる。今までで1番長いんじゃないかな。


窓の外を見ると、辺りは暗くなっていて、帰宅するのであろう人々の群れができていた。


ションは、何か見つけられたのだろうか…

何か、トラブルに巻き込まれてないだろうか…

そんな不安が押し寄せてくる。


ガチャ


ドアが開く音がした。


『ション!?』


慌てて、ドアの方に駆け寄ると、そこにいたのはタッキー、滝田奏太君だった。


『おいーっす!あさみんー。元気?』


『え、ちょ、なんで?』


『いや、頼まれたんだよ、詩音に。どうせまたあいつはいらねえ心配するからよ、俺が戻ってくるまであいつの近くにいてくれって』


ションのやつぅ、そんなことを…。

でも私はそんな彼の優しさに触れることができて、だいぶ気持ちが和らいだ。


『そ、そうなんだ、ありがとタッキー。でもさ、ちょっと遅くない?』


『いや、あのー、えーっとね。ごめん!完全に寝坊です!許して…』


『おいおい…ま、いっか。来てくれたし…。』


『いや、あの!それでね?…』


そう言いながら、タッキーが進路を譲ると、奥からションが出てきた。


『もう帰ってきちゃったよ、こいつ』


『帰ってきちゃったじゃねえよ。お前にオファーした意味がないじゃねえか!どんだけ寝てんだよ、夜行性動物か!』


「す、すいません…』


そんなやり取りを見て、心の底からホッとした。


『ション、遅かったね。何かあったの?』


私が切り出すと、彼はとても深刻そうな顔に変わった。


『あぁ。悪いな。ちょっと色々あってさ。でも、全部わかったよ。過去でやれることは全部やって来た。あとは…ここでやることがまだ少し残ってる。だから、亜沙美、奏太また少しだけ手を貸してくれ』


『うん、分かった!』

『りょーかいー』


いつもなら、ここで彼は真実を話し始めるが、今回は何も話してくれなかった。ただ、一言だけ彼は呟いた。


『1番考えたくない結末になるかもしれない…

心の準備だけはしておいてくれ』


考えたくない結末…どういうことかその時の私は意味がわからなかった。

でも、後日私は思い知ることになる。ションの言葉の真意を。そして、その言葉に隠された悲しみを…

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