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火の複眼 #4
ゲートを通ると空港のターミナルを思わせるような四角く広い空間があって、そこを職員が縦横無尽に行ったり来たりしている。
ここは各部署へと繋がるエレベーターホールだ。
エレベーターは合計で12機あり、各4棟毎に色分けされている。
今、私がいる1階と2階は吹き抜けになっていてフロアの中央にはフロートパネルがあり、各部署への道案内をしている。
確か特務公安課は赤のエレベーターだったな、と入庁資料を確認しようと立ち止まってバッグの中に手を入れた。
どん。
失礼。とスーツを着た男性が立ち止まっていた私にぶつかり思わずよろける。
普段なら法術で見えないように態勢を整えられたが、法術グレードを抑制されてたのもあっていつもの感覚で施行できない。
地面に向かって手も出ずこのまま倒れそうになる。
「おっと。大丈夫ですか。お嬢さん。」




