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眠らずの都の住人  作者: 同田貫
狭まりゆく包囲網
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艦船喰らいの凶鳥達

マイク達が着任した1週間は、シュピーゲル型を全機爆装させた状態で、レベッカを含めた13機での編隊飛行が、反復練習の様に繰り返し行われる。

レベッカを先頭に3機で一つの三角形を形成し、それが大きなデルタ陣形となって大空を飛行している。


そして海上に浮かぶ艦船を模したブイ目掛けて雷撃し、実戦に備えていた。


「皆、後は実地訓練あるのみね!次は本物のセレスの艦船を相手にしてみよう、それがいいわ!ティルちゃんや上官には、私から申告しておくわ!」


「レベッカ編隊長、それは些か無理があるかと!我々が海上攻撃の訓練を始めて、日が浅いのです!」


「大丈夫マイク君!為せば成る、何事も挑戦あるのみよ!仮に撃墜されても、ちゃんと骨は拾ってあげるからさ!」


「はっ!善処致します!」


柔和な笑顔だが、目元が笑っていない。

いいからやりなさい。

そう言わんばかりのレベッカの表情に、

マイク達も覚悟を決める。


翌日からは敵を求めて近海や海洋に繰り出し、仮設飛行場から一日に三度も出撃するのもざらであった。

爆撃機と同じ様に爆装され、セレスの艦船に魚雷を投下する毎日が続く。


今や海洋は自分達の海だと言わんばかりに、セレスの補給船団が渡るのを、レベッカ達は手当たり次第に発見しては、爆撃あるいは雷撃を加える。

当初補給船団に護衛などは付いてすらいない傲慢な姿勢だったが、度重なる襲撃に業を煮やしたセレスは、過剰な護衛を配し、レベッカ達の襲撃を待ち伏せる作戦に切り替える。


レベッカ達も襲撃タイミングを不規則にし早朝や夜間、夕暮れ時など、あの手この手のセレスとの知恵比べをし、付近の航空隊と協力するのも珍しくない。

出撃回数とセレスの艦船の撃破率、なによりその驚異的なまでの生還率の高さから、ランドール遠征空軍内でエース部隊となっていく。


新兵であった筈のマイク達は、数々の死線を潜り抜けた事で、ベテランの技量を自力で獲得した精兵となっていた。

気を良くしたマイク達が、黒翼殿の部隊だと内外に誇る為に、自分達の愛機をレベッカ同様に真っ黒に染め上げ、尾翼に赤の部隊番号を印す力作となった。


「レベッカ編隊長!どうですか?これで我が軍の士気が益々上がりますね!」


「いいじゃないーマイク君!私達の存在をより強固にする素晴らしい考えだわ!じゃあマイク君、またセレスの奴らに

爆弾をご馳走してあげましょうか?」


「はっ!各員、機体点検の後搭乗開始!レベッカ編隊長に続け!」


「「了解!」」


人を教育するのは難儀な事だと感じたけど、同時に達成感もある。

この気持ちはなんなのか?


【きっと始まりの個体も普段こんな気持ちで、私達機械人形を導いているのね。だから常に小難しい表情なのかな?】


思考を一時的に保留にして、マイク達に声高に指示を飛ばす。


「レベッカ隊、出撃する!」

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