女神達との遭遇
頭の中はどうこの場を切り抜けるか、いや、いっその事聖域の守護者であると告げてしまえばどうなると悩み中の着流しのナイスガイ、桶神九十九です。
流石に煩悩紹介は不可能だ、そう、たとえ目の前に美の女神が居ても――
いやぁ今日も相変わらず女神様だよなあ、え、どんな表現だって?
女神様=例えようが無い美に決まってるだろうが。
目の前にドーンキュッボンバディがあって目が行かない筈がないだろう。
うん、制服姿も中々に素晴らしい。
隠し切れないドーンとキュの差、なるほど、乳袋とは巨乳女性用の立体裁断の極意でもあるのか。
だが、俺は彼女に目で語る事を忘れていない。
まだ正体を明かすかどうか迷っているからだ。
「あの……桶神さん、でもですね、その衣類の肌蹴方でも見えないのは正体がわかると思うのですよ」
ボソボソと耳に顔を近づけて女神が教えてくれ………
な・ん・だ・と!
クッまさか俺の着流しが着崩れて肌蹴た部分に謎の光が発生していただとっ。
誰得だよ。
それで気がついたというのか、いつものぽややんとした雰囲気とは違って鋭い。
さすが風呂場の女神様。
というかだ、この学校に居る時点で優秀には違いない訳だよな。
いやそれよりもこの心地いい耳に掛かる息が………………
世界には耳で触覚を発動させるという境地が存在するのかっ。
なんて深いんだ。
いやそんな事を考えている場合じゃなかった。
「さて、では俺の正体についてだが……まず勇者ではない。が、あの温泉で俺がオーガを殲滅したのは事実だ、ミュリエル、そこの少女が実際にあっているのだが、説明せずに姿を消したからないつの間にか勇者と言われて此方も困惑をしていた、まあ、信じられないかも知れないが、俺は風呂場の守護神だ」
どうだ、やはり筋は通すべきだと正直な事を言ったのだが。
「只者ではないと思っていたが、オケガミとは桶の神という事か」
「ああ、そういう事だ、レイチェル、だから俺に勝てないのは仕方が無いだけだ、パーティーに入る必要はないぞ」
「ちょっと待ちなさい、そのオケガミ様は桶で神様で、勇者で、風呂の守護神? え、あの異世界の桶!?」
「ああ、ミュリエルの蹴ってたあの桶が俺の本体だ、すまないな、色々あって正体は隠して君たちを守っていたんだ、だから正体を明かせなかった」
嘘はいってない、そう色々あるんだよ!
「――そんなっ! まさか勇者様がっ」
やはりショックだったか。
「ということは私の物でもあるってことよね!」
「はっ?」
「大婆様に異世界の桶を譲られたのは私、よってあなたは私の物よ!」
「いやいや、俺は俺――」
そこでロリを遮ったのは女神様だった。
「何を言ってるのです、桶様は“私達”の守護神ですよ!」
いえ、あなたの桶神でいいですよ!
だがこれはチャンス。
「すまないな、所有権といわれても俺には意志がある、そう今犯人を捜しているように女子寮の風呂場の平穏をはじめとして、使命がある、それは――」
「「「それは?」」」
フッ聞いて驚け。
俺の理想、それは!
「美の探究者として真理に到達することだっ」
「流石です、桶様の、いえ九十九様の考えは深いですね」
「「………………」」
だが他の面々は唖然としてるのにも関わらず……
うむ、流石ウォルフェさん女神だけあって理解できたか。
「ハッハッハ! いやあウォルフェさんだったら判ってくれると思ってましたよ」
「私巫女の血を引いてますから、いつも見守ってくれる神様の存在はしってました、だからお風呂は安心して何時もはいっていたんです」
成る程、巫女とかそういう能力か……
霊視とかそんな類の力ならば納得だ。
美の女神にして巫女属性持ちとか、最高です!
しかし残りの面々は今一理解出来ていないようだ。
だがまあ、真理に到達するのは俺の志であって誰かに理解して欲しい考えではないし、普通なら出来ないというのもまた事実、残念ではあるが致し方あるまい。
「でもまてよ、ってことは九十九って俺たちの風呂を見放題だったのかっ!」
「いや、お前俺の肌着が見えるか?」
「え、そ、そんなとこぎょ、凝視する訳がないだろう」
レイチェルよ――
そこにエロ要素を持ち込むな、美は様々な方法で鑑賞するものだぞ。
「だれが凝視しろと言ったよ、ぱっと全体を見渡したときに変な光で遮られるだろう?」
「ああ、確かに――なんだ太陽の光?」
「違うこれは自動で発動する“謎の光”という呪だ、これはどうも男女ともに発動するみたいだが、これは俺にも発動している、さらに湯気が多いなと思った事はないか?」
まあ鑑賞はしていたのだがそれは俺の解脱への道。
故に事実のみを告げるのみ。
嘘は吐いていないぞ。
「そいう言われてみると」
「確かに風呂場の湯気と光の屈折魔術が大婆様の呪だって言ってたわ……」
そうだ、ロリっ子いい事を思い出したな。
それが俺を美の解脱へと誘ったんだ。
大婆様とやらには感謝してるぞ。
「だろう?」
「切れる筈だったから私が掛けなおす役割だったのに継続してたのは九十九様の存在があったからなのね」
何かを納得した風なロリっ子だがまあ俺はその役目とかは知らんぞ。
ふむ、その辺りは不明だがそうなんだろうな。
「まあ正直な話この桶として覚醒してまだ一年経ってないからな、その辺りは不明だ」
「でもぉ、これでミュリエルのおっぱいを大きくする活動してた正体がわかったわぁ」
「ハッ!?」
フッばれたか。
やるな、ヴィーナさん、其処に気がついたか……
ロリっ子も漸く事実を知ったようだな。
フフフ、ご利益はあっただろう?
だから、そうアワアワするんじゃない。
「まあ拝まれれば最大限努力するのが桶神としての俺の矜持だ、因みに風呂場で何度も助けているぞ」
「え?」
「お前は何回か風呂で寝る――まあ失神しかけてるからな、その度に起こすのは大変だったぞ」
「あ、あれ!」
「ああ、アレは俺が寝ないように水蒸気を凝結させて顔や首に落としてたんだ」
「にゅうう、ってことは私の――全部知られてるぅ、ふにゃああ」
あ、倒れた……
「「ミュー?」」
「む、いかんな、女子寮までとりあえず一旦帰るしかないな」
俺は倒れたロリっ子を抱き抱えて一旦女子寮へと向かう事にした。
全く世話のやける美少女だ。
なんという事だ……
連続で考察シーンが無いとか。
でもやっとヒロイン達との絡みが?
しかし、この話ってサービス回もなにもあったもんじゃないなあ。
まあもう一つ言えばエンディングが全く見えてない物語って書くのが初でして、うーん今後どうなるんだろうか恐ろしい。
でも次回こそ?
そうビキニブリッジと脇の考察を書けると信じて!
また息抜きで書きますので……お楽しみに。