なぜ臍なのか
さて、臍だ、そう誰にでも付いているもの――
だが其処に美を見つけ出せるか否かは己の心次第だ。
まあ説明していこうか。
臍とはそうお腹の真ん中にあって、母体の中にいる胎児の折にはお世話になった痕跡が残る穴である。
そうだな、誕生後に切り離されてしまい、唯一体の中で役割を持たない穴だ。
そこには神秘が詰まっている。
ちなみに意外とデリケートだから注意してくれ。弄りすぎるとお腹の調子が狂うからな。
だがヘソのゴマあれは垢とか汚れだからな、綿棒なんかに肌用のオイルをつけて掃除するように気をつけろ。今まで掃除した事がない!?
貴様――
ちょっとしたショッキングな事実を告げてやろう。
気が付けばちょっと大変な状態になるぞ。
臭いぞ。
若しもだ、お腹の上に好きな人の顔でも置かれるような事態になったとき……匂うかも知れないと考えれば、どうだ掃除したくなっただろう。
おっと何故臍の掃除論に――話を戻そう。
あの神秘な穴への女性のライン、形は縦が好ましい。何故縦かって?
簡単な話だ、ヘソが横に割れたとき……それは太ったときだ。
故にバランスが崩れるのさ。
まあ飽くまで美のバランスに関してだから話半分に聞いて欲しいが、中心部にアレほど特徴のある部分だからな。
変なピアスする前にシェイプして綺麗にする事をお勧めしよう。
10年先を考えて見れば態々肌に傷を付ける愚など冒さないだろうよ。
そもそも肌に傷をつけるような行為は個人の勝手だが、物体で借りてきた飾り物など所詮は偽者よ。
己の腹一つ磨けないで何が美か。
部族や風習などがあれば別だがな。
まああの美にはもう一つ重要な意味があるんだ。
雷が落ちると臍を隠せというだろう?
あれは臍に魂の裏口があるからと言われているんだ。
即ち!
普段表に隠されている秘部への入り口。
どうだ、臍を見る目が変わってくるだろう。臍を晒すという事はもう秘部を晒しているというのと同意義なんだよ。それと下腹部を晒している人達よ……
人体とは体を守る為に冷やしてはいけない部分に皮下脂肪を貯める傾向がある。後は言わなくても判るな?
風呂や閨とかシャツが捲れてチラっと晒すのは良いが――太るぞ。
水晶検索で書籍を探しながらこうして臍について考察した訳だが、隣で一言も発さない委員長がいるのでな、ついつい深く考えてしまったよ。
お、発見……
魔術Rの項目か、やはり使い魔となるのは魔法生物、しかもそれなりの腕前が必要か、学生に扱える物じゃあないと。そうなるとやはり外部犯の可能性も視野にいれて……ふむ、これは面白い理論だ。まあこれだけ判れば後は敵と対するだけだな。
「それじゃあ委員長お先にな――」
「待ちなさい」
「ん?」
なんだ、一言挨拶しただけだろう。
「その委員長って何?」
あ、しまった、ついつい名前を知らないからって脳内の設定そのままで話してしまったな。
「ああ、名前も知らないからな、こう学級委員長っぽいからそう呼んでみたんだ」
「――クッ強ち間違いではないのが悔しい、でも私にはシャリエリエルエルリスという名があるのよ」
「シャリ――なんだっけ?」
「シャリエリエルエルリス!」
「じゃあ、シャリスな」
「ちょっと!」
「間違えるよりは愛称の方がいいだろう?」
「確かに呼びにくいからって……」
「なんだよ、シャリスってちょっと格好良いだろうシャリエリエルエルリス?」
まあ本当はこれぐらい間違えないけど、ほら、会話ってのは敢えて乗る事も一つじゃないか。
「なっ、うぅ……」
「ハハハ、良い名前だけど親しみを込めるには愛称だ、委員長って呼ぶのとシャリスどちらを好む?」
「シャリスでいいわ」
「ん、じゃあなシャリス」
さあ、お姫様と別れた騎士は化け物退治へと向かうとしようかっ。
「待ちなさい!」
「ん?」
「人に名乗らせたのだから貴方も名乗りなさい」
「おっと失礼、九十九――こちら風に言えば九十九・桶神だシャリス姫じゃあな!」
「なっ」
フッ俺が知らないと思っていたか、完全防備でいつも風呂に入る彼女はまさにバスタオルの天使級。
チェックしていない筈が無いだろうがっ。
その女性同士に関わらず恥らう姿は素晴らしい物だったぞ。
驚いた顔をするシャリスを置いて俺は今度こそ図書館を跡にした、次に向かうのは犯行現場だ。
臍に関する見解は作者の想像です。
でも本当の事も書いています。
お手入れは必要です。
ええ、一度信じられないものを見たこともありますから……
気をつけてね?
そういえば「おっぱい」についての歌がネットにありまして……
某小説のネタのようなのですが……
一言あるんですよ、ええ、確かに突くのも一つでしょう。
だが突くだけで満足するなど、愚の骨頂。あれは抓るものでもある。
突く3倍は保障されるだろう。
しかし……書き終わった後に全文削除したくなる衝動がひどい。