夢と希望の塊について考察する
どうも、光が無いおっぱいはおっぱいで“美”ではあるけど神々しさに欠けるのではと一人究極の課題に突き当たっている真理を追究する付喪神、桶神九十九です。
究極の美を堪能する方法は鑑賞であるとは思う。
だがしかしだ……
――視覚という感覚を極め解脱したわけだが。他はどうなのだ探求者よ!
そういう天啓がもたらされた。
そう、感覚とは視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚等に代表されるあれだ。
他は――
他はだと!
そうか……更に様々な方法で美にアプローチする事も必要という事ですね!
絵画を眺めるのと同じように……
そうか彫刻の素晴らしさや陶器などを愛でるのと同じように触覚で肌で。
音楽を心で感じるように聴覚で。
香水や花の香りや自然の素晴らしさを楽しむように香りを嗅覚で。
料理や飲み物を得る事による満足感を感じるように味覚で。
そしてそれらを全てミックスする事で至る第六感で新たな美に……
本当か?
いやまあいい、触覚とか確かに……うむ、光と煙が全く関係なくなるけどいいよな。
とまあ俺はこんな事を考えながら歩いていた訳だが――
風呂場を出た俺の向かった先は先ず図書館だった。
ほら、調べ物と言えば図書館なんだよ、ネットでちょちょいとはいかない。
まあ似たようなアイテムはあるんだけど手持ちに無いからな。それを借りれる図書館へ行くってわけだ。
しかしな……
わかっちゃいるけどこの姿で歩き回るって、寮の外は久しぶりに来るがやはりキツイな、特に精神的な攻撃を受け続けているような苦しさだ。
まあ人種種族も両手で足りないこの世界だから、別に俺が浴衣で歩いても問題は無いんだよ。
だがな、桶を抱えてるのは流石にな……
おや、これから一風呂銭湯ですかってなもんだ。
イネーヨ!
いや、まあいいさ、コレも怪しからん奴を懲らしめる為。それにな、普段風呂だけだろ……
服もいいもんだな、うん。
特に獣人の女子生徒の皆さん、そのスカートは何度みてもケシカランのぉ!
え、何がって……
ホレホレ見てみろ、尻尾を出す為に超ローライズとか一部がスリットなんだよね。
それに揺れるフサフサがプリンプリンって一緒に揺れる様は動く芸術だな。
偶の外出というのも悪くない、うむ悪くないぞ。
そして腕や謎の光が無くとも揺れるおっぱいはおっぱいだった。
敢えて服の下に存在するからこそ強調されるモノがあると逆転の発想でたどり着くとは……
これが悟りというものか。
と、まあそういう視覚を満足させながら図書館まで来た訳だが――
「その……荷物はこちらに預けていただく規則ですから!」
「うーん前はそんな事言われなかったんだがな」
「でも規則は規則ですからっ」
とまあこういう状況になっている。
因みにだ……この子は生徒である。司書さんではない。なんで知っているかって、それはこの子が勿論寮生だからだ。
最初気がつくまで時間が掛かったんだがな……
なにせ眼鏡というアイテムが装着されていたからだ。
スペックはお淑やか大和撫子系だと思っていたのだがな。
うん、すごい浴衣とか似合いそう。
偶々階段から隣に居たのだが、真面目っ子だった。あれだな委員長とかそういう渾名でもついてそうだな。
名前も知らないし委員長と呼ぼう。
だが、委員長よ……
先程から後方で司書さんが苦笑いしてるぞ。
「所でだな……」
「なんですかっ」
「まあ荷物の規則も判らなくはないが、少々声が大きすぎやしないか」
「そ、し、失礼しました」
そこでやっと司書さんからの助けが入った。
「あの、まあ其方のお荷物で本を持ち出す事も出来ませんから構わないですよ」
「あ、本当ですか、いやあすいませんねぇ、お騒がせして」
いやあ、生まれ変わってそんなに顔も変わらない筈なのにこちらでは二枚目なのか?
こうして御姐さん的な方には非常に受けがいい。まあ女生徒には今一……あれ? でもロリっ子には受けてたよな。まあいい。兎に角こういう時に助かる。
「ホラ、なっ」
「フ、フン!」
眼鏡っ子委員長キャラにあるツン系装備か……
まあ悪くないがな。
「なんで一緒の方向へついてくるのよ」
「いや、俺の用があるのもこっちなんだが……」
「……まあいいわ、で貴方何を読みに来たのよ」
「あ、ああ、アレだ水晶検索を使わせてもらおうかなってな」
「目的の場所が一緒なら仕方が無いわね、しかし人は見かけによらないとは言うけど……そのなり|で本を読むのね」
「格好は余計なお世話だが、本ぐらい読むさ、まあ調べ物だがな」
「ふーん」
「いや、そこでフーンって言ったら会話が続かないだろうが、広げていこうとしようぜ」
「別に話したくないもの」
ぬぉぉ。そうだったこの子はこういうキャラなんだった。
会話を打ち切られた俺は虚しく水晶検索の装置があるブースまで歩いた。
いや、なんでしょうか。
夢と希望は見るだけでよかったか……
ちょっと判らないので考察しようかなぁって。
いえ、まあそんな大したものではありませんが。