坊ちゃんは純粋だな
夏目漱石の坊ちゃんという小説がある。
自分が中学生時代には国語の教科書に載っていたので、ほとんどの人が読んだことがあるのではないだろうか。
最後に読んだのはかなり昔の話なので、内容は詳しくは覚えていない。
ただ、主人公の性格がまっすぐで融通が利かず、教師として赴任した四国の地で教え子や同僚達の間で揉め事を起こし、そのまま辞めてしまった話だったような気がする。
あれを読んだときに思った。
これはただの短気な人なのではないだろうか。
漱石の歯切れの良い文章と明るくコミカルな作風で、江戸っ子の純粋な主人公が思ったとおりに行動するその姿に爽快感を感じるのだが、まあ、今の社会でそんなことをしたら大変である。
ただ、我慢が利かない性格は自分と同じである。
そして私は純粋でもない。
欲に弱く、煩悩に負け、そんな自分に自己嫌悪する。
しかしその一方で、自分のポテンシャルは他人よりも高く、いつかそれが認められる日が来ると思っているのである。
坊ちゃんになりたいとは思わない。
ただ、もっと自分に正直に生きたい。
あとモテたい。
中途半端なプライドだけを持って生きているが、そんなものは捨ててしまった方が良いことは分かっているが、捨てた自分はあまりにも惨めな気がして、精一杯の虚勢を張って、今日も生きるのだ。
そしてモテたいのだ。