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お出かけ

最初にタカシの事を呼んだ呼び方だった。

ヨウコは何もない広間にタカシを呼び寄せ座らせる。

座らせるとタカシの太ももの上に自分も座り上機嫌になる。

「お兄さ~ん♪お兄さ~ん♪」

恩人であるタカシにとても懐いていた。

とても300年以上も生きているようには見えない。

ヨウコの長い黒髪が優美に揺れる。

「ねぇヨウコ」

タカシはヨウコの頭に向かって話しかけている形になる。

「何?」

「今度お花見とか、いかない?」

「お花見?」

「そう、お花見、綺麗に咲いた桜を一緒に見るの」

タカシは思春期の頃に夢を見ていた、可愛い女の子を連れて、一緒にお花見をする事を。

「いいね、行きたい」

ヨウコは嬉々として了承する。

「そ、そう?よかった、じゃあ、明日、でいいよね?」

「いいよ、お兄さんも私も毎日暇だからね」

と少し笑い声を交える。とても安らげる時間が流れていた。



翌日、よく晴れていた。

「お兄さん、待ってたよ、早く行こう?」

ヨウコは待ちきれないというように玄関まで出てきて前のめりになっている。

「うん、じゃあ、行こう」

タカシはヨウコを連れて祖父母の家を出た。

シティサイクルの荷台にせめてもの緩衝材としてダンボールを敷き

ヨウコを乗せる。

ヨウコは小さく、体重も軽いので二人乗りでも許されるだろうとタカシは考えていた。

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