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お守り

少女はそんなタカシに言葉をかける。

「大丈夫だよ、私がやってるんだ」

盛り上がった水面は徐々にせり上がり、球状となって行く。

水面を完全に離れ、大きな水の球となり浮遊する。

少女は小さな体でその大きな球を見つめていた。

見つめ続けていると水の球は少しずつ凝縮されて行く。

最初、直径にして3メートル程はあった水の球が、サッカーボール程度の大きさになる。

サッカーボール程の大きさになった水の球は浮遊しながらゆっくりとタカシの目の前へと来た。

「手を出して」

少女に言われるままタカシは手を出す。

タカシの目の前で少女は水の球に向けて力を込めた。

するとサッカーボール程あった水の球はソフトボール大になりピンポン玉程になり、

最後は小鈴のような小さな水の結晶となり、タカシの掌の上に乗った。

少しひんやりとしている。

「こ、これ、何?」

タカシは恐ろしさもあって少女へと聞く。

「河童が作るお守りだよ、水塊」

「お、お守り?すいかい?」

「そう、危ない物じゃないから大丈夫、守ってくれる」

タカシは納得できないが少女の言う事を信じた。

河童であるという事も信じた。

「まぁ、人間にこんな事できないしね」

「信じてくれた?よかった」

少女は会った時よりも少しだけ元気付いて居た。

「それで寝床がほしいんだよね?」

「そう、どうにかなりそう?」

タカシは考える。

タカシの家は父と母と自分の3人暮らしだ。

女の子を連れ込めるはずがない。

しかし亡くなった祖父母の家は今はもう誰も使っていない。

そこをこの少女にあてがってやろう、と決めた。

「使ってない家があるんだけどそこで良い?」

「良い、良いよ、ありがとう」

少女は嬉しそうに仕切りに頷いていた。

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