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出会う

タカシはニートだった。

中学生の頃、進路を決める際に、頑なに進学する事を拒んだ。

進学も就職もしたくないとタカシは思っていた。

義務教育を受け、疲弊してしまっていた。

そんなタカシは今年で21歳になった。

今日もいつものように雑然とした部屋の中でパソコンへと向かっている。

「河童、河童」

最近のタカシの興味は妖怪へと向いていた。

その中でもとりわけ河童が一番のお気に入りだ。

美少女サブカルチャーに傾倒しているタカシは伝承にある河童の姿や行動を、美少女に置き換えて考えて楽しんでいた。

ネットサーフィンを続けているうちに、家の近所にある川に河童の伝説があるという事を知ったタカシは、暇な身の上、行ってみようと思った。

タカシは部屋の中では寝間着用のスウェットを着ているが、外出時はジャージに着替えている。

スウェットは部屋着だが、ジャージは運動用なので外でもおかしくはない、という頭から来ている事だ。

トレードマークと化している程に着古したジャージに着替えて、手入れを怠っているシティサイクルへと跨り家を出る。

風が無く、自転車は颯爽と道を駆け、すぐに件の川へと到着した。

実際に来てみると何の事ははない単なる沼だった。

伝説がある場所には立ててある事が多い、解説の看板等も無い。

タカシは少し残念だとは思ったがこんな物だろうとも思っていた。

持って来ていたペットボトルの飲み物を開け、一口飲む、その時だった。

後ろの高く伸びた草むらが大きくさざめいた。

風は吹いていない。

タカシはすぐに振り返った。

そこには俯いて力なく歩く小さな女の子。

不審に思ったタカシはすぐに父や母や他の大人が一緒ではないのかを確認するが周りに他の人の気配は無い。

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