送り火
蒼穹に紫煙が昇っていく。
天へ行くあいつと何処かで混じりあうのだろうか。
口の中に広がる慣れない銘柄の味と香り。
貰い煙草をした時の違和感を思い出した。
地面に煙草をこすり付け、携帯灰皿へと拾い上げながら、あいつが禁煙していたことを思い出す。
もう少し生きるか。とっととそっちへ行くか。
天を仰ぎ、問う。
薫風が紫煙と緑を揺らした。
答えは勿論無い。
「まぁ、どっちにしろ遠からず、か」
そう独り言ち、二本目に火を灯す。
小伏史央様主催の200文字小説コンテスト投稿作品。
拙作と共にコンテストもご贔屓いただければ幸いです。
http://text-poi.net/vote/56/
同コンテスト10位
ご投票いただいた皆様ありがとうございました。