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彼女との出会い

うまく書けないと思いますが、暇つぶしに見ていただけたらうれしいです


夏、それも真夏。気温は夜になると35度を越えて部屋に冷房がない俺は12時になっても寝れずにいる

明日から学力テストがあるのに真夏の熱さは体力と眠気を容赦なく俺から奪っていく。

さすがにずっと我慢しているのもあれだったから、シャワーをあび汗だくだった体に冷たい一時を与える。

シャワーを浴び着替え終わるといつもの決まりで俺は冷蔵庫からコカ・コーラをだす。

しかし冷蔵庫にはすでに炭酸の飲み物は妹に飲まれておりあるのは麦茶だけと、現代人の俺としては許しがたいものだ。

「・・・買ってくるしかないか」

この男の家の近くにはここら辺で一番でかい市民公園がある。

そこにある自動販売機はこいつ坂上・秀一さかがみ・しゅういちにとって貴重なものだった。

自動販売機には上から下すべてが炭酸系の飲み物一色なのだ、しかも値段はすべて100円。

手に財布を持ち真夜中の道を炭酸のためだけに歩く秀一

もしこの時、市民公園に行かなければ彼の運命は大きく変わることになっていただろう

これは知らない世界に踏み入れるかどうかの分かれ道だった。

それを知らず坂上秀一は近づいていく、新たな世界へと




「・・・きなさ・・・」

うるさいなぁ、俺はまだ寝たいんだよ

「・・なさい、今何時だ・・・」

どっかで聞いたことある声だな

「知らないからね、今日実力テストなのに!!」

ドボ!!

「ウグッ!?」

「さぁ、これで起きてくれましたかしら? 秀一く・ん?」

「ああ、起きさせてもらったよ。でもまさか高校女子が高校男子の部屋に警戒心ゼロで入ってくるとはな」

腹のあたりがイテェ、どんだけバカ力なんだこいつ

ベットから起き上がり窓を見ると既に太陽も出ていて時計を見ると8時になろうとしている

「わかった? おば様からあんたを起こすように言われたの! 早く起きちゃってよ」

「ほうほう? それでわざわざ幼なじみ様は俺を起こしにきてくださった・と?」

「そうよ! 私に感謝してほしいものだわ」

エッヘンとでも言うように胸を張って言ってくる、こいつは稲本 夏美 (いねもと・なつみ)恥ずかしながら俺の幼なじみだったりするやつだ

「誰がお前に感謝するかボケ!!」

「なっ!? あんたには感謝の気持ちすら持つことが出来ないわけ? 最低よ!」

最低? どこからそんな言葉がこいつからでるんだ?

「最低なんて言葉をお前・・」

「そんなことは、どうでもいいから早く起きちゃってよ!私下でご飯食べてるから」

「なんで俺の家で普通に毎日飯食いに来ちゃってるんだよお前!」

最後の言葉も聞かずに夏美はリビングへと行ってしまった。

「クソッ、大体幼なじみが朝起こしにくるとか何処のラノベだよ・・・」

脱力すると、時間も時間だったのでとりあえず制服に着替える。



リビングに着くとすでに食事を終えていた夏美は、俺を引っ張るようにして玄関へと向かう

朝ご飯食べてないと言っても自業自得と言われて食べさせてもらえず、お腹が空いたままテストを受けなければならなかった。俺と夏美はこの市では有名な私立校に通っている、総勢1000人を有に越えるマンモス校だ。

名前は桜坂高等学校で、特徴は学校に入る道が一本しかないことだろう。

桜坂高等学校はちょっとした丘の上にあるので道が一本しかないのだ。

俺と夏美も去年この学校に進学して今では高校二年になっている。

学年はさすがと言うか10クラスも存在する、俺は5クラスで夏美は3クラス、夏美とは一年の時には同じクラスだったが二年に進級した時に別々になった。俺はうるさい奴がいなくなってうれしかったけど、あいつは今まで以上に俺と一緒に居たがって一年の時よりも同じ時間を共有するようになっている。

俺もあいつと一緒にいても痛い重いはするが、不快感はないから別に構わない。

クラスの連中がはやし立てるのは気に入らんけどな。



「秀一! 今日も屋上に来なさいよいいわね!!」

「そりゃあ命令だな、・・・それにいつものことだろ?」

「そ、そう。わかればいいのよゴニョゴニョ」

頬を赤くしながら言うと何故か一発腹を殴られた。

こ、これもいつものことだが・・・いつものように威力が上がってるな

最近俺は打たれずよくなっているぞ、喧嘩番長も夢じゃないかもしれん

「そ、それじゃあね」

急ぎ足で3クラスに入っていく夏美を見届けると、そっとため息を吐く

「てかやべ! そろそろじゃねえか」

携帯を見ると既に9時を切っていた、授業開始は10分からと遅めなのだ

俺が寝坊してものんびりしていられるのも、そのためだ

それでもHRは9時からだったので既に遅刻となっていた

「これもいつもどおりか」

窓から差し込んでくる太陽の光をまぶしく見ながら俺は急いで5クラスへと向かう

そして俺の高校生活と俺の日常を粉々にするような出来事が起こるのだ



俺が教室に入ると怒られ覚悟だったのだが拍子抜けにも担任の森下先生がいなかった

いつもは仁王立ちで俺を待ち構えているのに今日はどうしたんだ?

ホッとしながらも急いで席に着くと隣に座っていた男子生徒が話しかけてくる

「おい秀一、今日はラッキーだったみたいだな」

「どうしたんだ今日は? 森ちゃんは? もしかしてぎっくり腰にでもなったのか?」

だとしたら見舞いくらいしないとな

「森ちゃん、まだ25だからな? そんなこと言ったら泣くぞ先生」

「いやいや、ぎっくり腰は若い年齢でもなるらしいぞ」

「まじか? しかし今回は違うぞ」

「ほう? ではどうしたんだ、なにやらお前は遅れている理由を知っているみたいだが?」

ここで紹介しよう、こいつは俺の親友で中学からの付き合いである中林 なかばやし・さとる、容姿がよく告白されている所を、見かけることがよくあるちょっと羨ましい奴だ。

「実は森ちゃん・・・恋人に逃げられたらしい」

「・・・俺はなんて励ましたらいいだろうか?」

「いや!、ここはそっとしておいた方がいい」

「ダメだ! 森ちゃんは今絶望のどん底いる。俺はいつも心配してくれる森ちゃんのために何かしたいんだ」

そうだ、森ちゃんはいい先生なんだ。キャラはドジっ娘なんだ、いつもクラスの笑いを取ってくれる先生なんだ。ここで励まさなくて何時励ますんだ!

「だったら、俺にいい考えがあるぞ?」

「ほう?聞こうじゃないか」



「はいは~い、みなさん遅れてすいませんでした。少し手間取ってしま「先生!!」な、なんですか秀一君?」

「先生、いくら恋人に逃げられたからって水商売はしちゃダメだぜ」

「み、水商売?えっと、つまりえっと」

「いや、先生の傷ついた心はそう簡単には癒せないだろうさ」

「え? まって秀一く」

「聞いてくれ!!」

「は、はい」

「無闇に体をうちゃいかん! 今はエイズやらいろいろ怖い性病だってあるんだ! それに先生は若い、大丈夫新たな1ページを切り開けるはずだ!」

「しゅ、秀一くん」

「分かってくれましたか? 森ちゃん」

「私、今恋人なんていないよ?」

「・・・」

隣を見ると聡が大爆笑しているのが分かった

はめられたのか!?

「それにですね、水商売だって居酒屋とかいろいろあるんですよ。秀一くんのようにいやらしい物もあるけどちゃんと他にもあるんだし」

や、やばい。説教に入ろうとしている

「そ、そうだ森ちゃん。今日はなんで遅刻したんだ?」

「え? そ、そうだった。コホン今日皆さんには聞いてもらいことがあります」

なんとか森ちゃんも説教は回避できた、森ちゃんって一回説教をし始めると一時間は始めてしまうからなぁ

説教の引き金となった俺をまんまと騙してくださった横の悪友には、後で仕返しをしなくてはいけないかもな

いつまで笑ってやがるんだこいつめ!!

「今回急でありますが転校生?編入生?が来ることになりました。驚かないでくださいよ皆」

先生の合図で扉のドアが開き教室内に入ってきた、小柄な女の子だった。

黒板に立つと森ちゃんより顔一個分位小さい、多分146センチ位だと思う。

長い黒髪にクリクリとした目、脚の絶妙な感じでまさに絵に描いたような美少女だった、内の学校指定のセーラー服もなんだかマッチしている。

彼女は教室内を一回見渡す

「私、藺瑠美 綾 (いるみ・あや)です。ニ年の夏からですがよろしくお願いします」

彼女は礼儀正しく礼をする。

短い言葉だったがそのすべてが絵になっていてクラスの皆は一心に彼女を凝視している。

そんな俺も同じだったが、皆と俺は違う意味で凝視していた。

それを知る者は俺しかいない、そう俺は彼女に会ったことがある。しかも昨日いや今日の朝0時ごろだ。

俺は彼女を見た、いやその一部始終を俺は見ていたんだ。


俺の人生は動き始めた、良しも悪くもどちらとも言えないほどにゆっくりと・・・





市民公園の近くには警察署もあるため不良などもいないので、心置きなく出歩くことが出来るん

パトロール中の警察さんみ見つかったら元もこもないけどな

市民公園までは走って2分、歩いて4分のところにある。

真夜中は街灯の明かりが灯されさほど暗くはない。

自動販売機につくと財布をだしコカ・コーラを買おうとする

「って、売り切れじゃん! なんだよ、ここまで来たのにな」

見事にすべての商品が売りきれていた自動販売機

これはこれで珍しい光景だと思うけど

「これはないよな」

「何がだい?」

突然声をかけられて驚き飛び跳ねる

後ろを振り向くと自転車に乗った警官さんがいた

俺運悪いなぁ

「厄日だ」

「ん? 君見たところ高校生っぽいけど、今何時だかわかってる?」

「あ、はい。すいません、ちょっと炭酸飲みたくて買いに来たんです」

「あ~、今日って熱いしね」

「はい、そうなんですよ」

よし! なんだか話がわかりそうな人だ

「でもなぁ、こんな夜中に出歩くのは関心せんな」

「す、すいません、今後気をつけますんで」

なんとか会話で逃げることができた、あっぶね補導されるとこだったぞ

速歩きでその場を逃れる俺は前に気を取られて後ろを見ていなかった。

ガラガラと、言う音でようやく後ろに気がつき振り向くと先ほどの警官さんが警棒を俺に振りかざして来ていた

「うわぁぁ」

反射的に後ろにジャンプして警棒から逃れられた

そして突然襲いかかってきた警官さんに怒鳴る

「な、なんだってんだよ! 警官がそんなことしていいのか!!」

「ん~、だって俺今お前をヤリタイシ」

警棒を構えながらニタニタと笑う

ウオーと言う声とともにまた襲いかかってくる警官に、俺はまた素早く避ける

「あっぶね(こいつ普通じゃない)でもなぁ、こっちは暴力的な幼なじみのおかげで反射神経だけは誰にも負けねぇんだ」

ブンブンとやってくる警官に、逃げるようにして市民公園に入る。

俺は何気に運動神経だけはいいからなんとか巻くことが出来ればいいが

「って、あんなのありかよ!?」

さきほどの警官は俺の足が速いことに気がつき自転車に乗ってきた

よく見ると目が血走ってる

「どこかな~、俺様の獲物はどこかなぁ」

楽しむように探してくる警官の声を聞いていると血の気が引いてくる

これは、間違いなく恐怖だろう。あの警官はどこかおかしい

さっと茂みの中に隠れる俺に警官の声だけが市民公園に響き渡る

「ん~、どこか茂みに隠れたのかなぁ?」

そう聞こえると自転車がこちらに来る音が聞こえた

やべぇぞ、どうする。もし警官なぐったら逮捕されかねないし、こっちには補導理由がちゃんとあるわけでいやでも訴えたら俺が勝つのか? 正当防衛ってことでなるのか?

やるかやらないか考えていると、すぐそこまで警官は来ている

「ん~、実は俺ってこんなの持ってるんだよねぇ」

奴は見せびらかすような感じで鉄製のあるものを取り出した

おいおい、軽い冗談だよな? 一般市民に銃向けるなんて

背中に冷たい汗が流れる

「見つけたら撃ってみようかな?」

クソッ、俺だって銃までは経験ないぞ。

銃を片手に持った警官はすぐそこまで来ている


「へぇ? 誰を撃つのかしら?」


そんな時、市民公園でどこか澄み渡るような声が響いた

声は警官のすぐ後からだ、だが警官は驚かず後を見る

「あ? だれだお前?」

誰かいるのか?

「あら、警察の方がそんな口調でいいのかしら?」

「はん! テメー中学生か? 何時だと思ってるんだか。最近のガキは躾がなってねぇ」

「失礼ね、私は今年で高校二年よ。それにだったらあなたは上司に躾されてないようね」

先ほどの警官と誰かが言い合っているみたいだった

そっと茂みから覗くと警官が言ったとおり中学生か下手をすれば小学生にも見えなくもない少女が立っていた。

街灯の光に照らされて黒の髪と顔が見える、その瞬間俺は彼女のあまりの美しさに見惚れてしまった。

光に照らされている彼女は、天からきた天使にすら見えた。

「でも、厄介ね。まさか人間を操作するなんて」

「はぁ? お前何言ってんだ」

「でも、この公園にはいるはずよね? だったら話は速いけど」

「んだから何いってんだよチビ」

先ほどから無視をし始める彼女に業を煮やしたのか警官は大声で叫ぶ

「ハァ、これだから下級妖魔はむかつくのよ」

そう、言うと彼女はポケットから神社で売っているようなお札を出し始めた。

「なんだ? 俺に悪霊でも取り付いてるって言うのか?」

「悪霊? まぁそれほどなら私も苦労しないんだけどな」

彼女は苦笑しながらお札を地面に置く

「さて、今からあなたを操っている鎖を解きます」

「あ?」

「あなたは次目覚めるときは先ほどのことなどまったく覚えていないでしょう。ですから今後の生活は問題ありません」

彼女はまるで決まっているシナリオを進めるようにして喋っている

「少し、熱いかもしれませんが我慢してくださいね」

最後に彼女はニコっとすると

「契約の精霊サラマンダー、妖魔による束縛をその炎によって破壊せよ!」

彼女の言葉と同時に先ほど地面に置いてあった札が突然動き始め、触ってもいないのに突然空中に浮く

「かの妖魔は人を操り虐げる精霊のなれの果て!」

その言葉と同時に札が燃え初め同時に前にいた警官の体が燃え始めていたのだ

「ギャァァ、な、なんだこれは!? いったいどうなってやがる」

「大丈夫です、直に炎は消えあなたの悪行も炎と共に消えてなくなるでしょう」

俺はこの光景が未だに信じられないでいた

「なんだよ・・・どこのフィンタジー?」

呆然としていると炎は彼女の言ったとおり消え警官は気絶しているようだ。

異臭がしないから焼死体にされたわけではなさそうだ


少しの間あたりは静まり返ると、何処からか声が聞こえた

『貴様、教会の手のものか』

それは、人間のものとは思えない異形の声だと思う

「へぇ、気がついたか」

ニヤリとしながらも、常に攻撃体制を整えている

『貴様は我を討伐するためにここに? いや聞くまでもなかったか』

「さっしがよろしくて何より、私は教会に所属する精霊師。通り名はいろいろあるけどそうね、炎剣の矢・アーシャと、名乗っておこうかしら」

『精霊師か、ははっは、楽しみが増えたぞ人間」

「あら? あなたは今から討伐されるのよ?」

彼女はそういうと手から炎を出しどういう原理か分からないが剣を取り出す

俺はもうだまって見ているしかなかった、目の前の光景は既に俺の理解を越えたものだったからだ。

『ほう? 炎剣か』

「あら知っているのね?」

『昔は有名だったからな、そうか炎剣の使い手か』

「そう、だからお前はここで殺られるのよ!」

そういうと、彼女は突然空中に向けて剣を振りかざすと風が炎となり空中の一点に向かって矢のように行く

その場所を見ると何やら変な黒いもやもやが立ち昇っていた

だが、驚いた声をあげたのは、俺でもあのもやもやでもない

「顕現!? ありえないわ」

呆然としながらも、アーシャは言った。

『娘、今回は我が逃げてやろう』

もやもやが手となり先ほど彼女が放ったと思われる炎の矢を弾き飛ばしてしまう

目の前にいる妖魔の実力を垣間見たアーシャはただ見ていることしか出来なかった。

「・・・」

『また会おう、炎剣の矢アーシャ』


あたりは静かになり残っているのは炎剣片手に持っているアーシャだけだった

アーシャは炎剣を地面に突き刺すと深呼吸をする

「何が下級妖魔よ・・・」

ギリッ、歯を食いしばる彼女は

「あれは、上級妖魔ね。今回の仕事は長引きそうかも」

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