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私の地球(ほし)がきえちゃった  作者: よむよみ
第一章

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第八話 考古学者の解読

私はマイケル。考古学を生業にしている。

最近、古い古文書が発見されその解析を依頼された。

どうやら1000年以上前につくられた文書らしく、好奇心が強くそそられる。

とても貴重な資料だ。傷つけないように白い手袋をつけ、ゆっくり読み始めることにした。



地中深く、静寂に包まれた広大な空洞。

ところどころ、マグマが赤く光り、闇をそっと照らしている。

空洞の中央付近に、ぽつんと置かれた卵。直径はおよそ50センチ。

卵からは根のようなものが伸び、地面にしっかりと絡みついている。


やがて、卵の表面に細かなひびが入り、殻が静かに割れはじめる。

中から現れたのは、小さなドラゴン。

その幼い姿にはどこか愛らしさがあり、目はまだ閉じられている。

体を伸ばしたり、ねじったり、ぎこちなく動かしている。

やがて動きが落ち着き、そっと目を開く。紅い瞳が、微かに光る。

目に映るものには興味がない様子で、かわいらしく欠伸をひとつ。

姿勢を正し背筋を伸ばすと、体全体が淡く光を放ち始める。


そして――次の瞬間、地球は消滅した。


とても珍しい書き出しに思えた。

古代では文字を書ける知識人は、通例、起こった出来事もしくは、

国の平定のために世界の始まりについて記すものだ。

だが、この古文書では、世界の終わりについて記してある。

しかも、妙に描写が細かい。まるで実際に見ていたかのようだ。


書き出しの後、古文書ではこの世界の歴史について記されていた。

奇妙なことに、この歴史には未来についても記されている。

最近確立された技術についても、人名や年代こそ異なるものの、同等の技術について記されていた。


さらに読み進めていく。

この世界は、何度も消滅し、復元されているらしい。

消滅の直接の原因は書き出しにも記載されている50cm程の卵にある。

何度も破壊を試みるも、ことごとく失敗し、成功した記録はない。

試みられた方法が、失敗の履歴となって詳細に記されていた。

もしこの古文書が正しいのであれば、数年のうちに地球は消滅することになる。


古文書の最後には、夢の中に現れる神様について記されていた。

夢に現れるたびに、この内容を文書としてまとめ、未来に向けて隠すことを託されたという。

その神様はとても美しく、どこか上品で、うっすらと涙をうかべているらしい。


読み終えてふと気づく。古文書にしては、不思議なほど読みやすい。

わかりにくい箇所には、適切な説明が添えられている。

まるで何度も読まれ修正、加筆が繰り返されてきたかのようだ。

地球上で初めて読まれたはずの古文書なのに、まるで読み慕われたおとぎ話のような錯覚に陥る。

現代に生きる私が読んでいるにもかかわらず、だ。

「神様は本当にいるのかもしれない。私たちも、いづれこの古文書に記されることになるのだろうか…。」


私は、解読した内容を正確に文書にまとめ、論文として提出することとした。

地球消滅の未来が描かれている。疑われるに違いない。

自分自身でさえ、あまりに荒唐無稽で、信じがたいと感じている。

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