第七十三話 ナイトメア・アーク
我が名は、ナイトメア・アーク。
以前は、長い間ずっと宇宙をひたすらさまよっていた。
千年、いや一万年はただよっていた。
ただ孤独に、そして永遠と存在していた。
ある時、一匹のドラゴンを見つけ、思考を乗っ取ることにした。
このドラゴンはもともと私と同じ孤独だった。ずっと仲間外れだった。
体が強いわけでもなく、長い間いじめられていた。
我が乗っ取っても体が強くなるわけではなく、ずっといじめられっぱなしだった。
ただ、ある時、我の怨念をのせて息をふきかけると、周囲のドラゴンはばたばたと倒れていった。
我は気づいた。
一万年漂っていた時の、孤独という絶望、そして、永遠という悪夢。
この絶望、悪夢を、そっと漂わせるだけで、まわりは絶対的絶望、圧倒的悪夢にうなされていくのだ。
我は勝った。そして勝つにつれ我がドラゴンの肉体も強くなっていく。
いじめを返り討ちにするたびに、我に従う者が増えていった。
我の影響力が増せば増すほど、我に対抗しようとする者が現れ、我に敗れていく。
もう我が星では我に対抗するものはいない。
我らは、我が星ではとどまらなかった。
周囲の星も巻き込み、絶望、悪夢をまきちらして、支配していく。
そして、そのたびに、我に従う者が増えていく。
それは、ドラゴンだけではない。意思ある生命体は皆、強き生命体に従うのが、自然の摂理なのだ。
絶望、悪夢こそが絶対の支配なのだ。
神々を名乗るものも現れるが、我の進路を阻むことはできない。
確かに神々は強い。圧倒的強度、圧倒的強さを誇るドラゴンといえど善戦が精いっぱいだ。
しかし、そんな神々でも、我の悪夢にはかなわない。
我が悪夢をまき散らすと、神々は弱体化する。我が軍団は徐々に優勢となっていく。
我が悪夢に、神々でさえ抵抗できていない。
我の一万年を超える孤独の記憶が、絶望、悪夢となって襲い掛かる。
ある者は過去の孤独を思い出し、そしてある者は過去の失敗、過ちを思い出す。
そして我が悪夢はその孤独や失敗、過ちを増幅させる。絶望や悪夢に変えていく。
今まで生きてきた自信と誇りが、あっという間に消え去り、希望を失っていく。
自信や誇りのない者など、我が軍に対抗できるわけがない。
たとえそれが神であったとしてもだ。
我が軍団は、このままとどまることなく進んでいくだけだ。
この進撃の先に何があるか?そんなことは知らない。
我はただ、絶望、悪夢をまき散らし、進んでいく。
よかったら、何か足跡、お願いします。




