第七十二章 ヴァニッシュ部隊
私は、外敵駆除対応ヴァニッシュの殲滅部隊隊長ストラテス。
今はこの戦場の総司令官をしている。
戦場といっても敵の数はそれほど多くはない。現在はこの星一つが戦場となっている。
一旦、前線はマルクスの部隊、後方支援は私の部隊で挑んでいる。
マルクスが目の前の敵に集中するのに対し、私は弱点の発見と戦線の維持、回復と補給を目的としている。
敵は、遠くの星に住むドラゴンと、ドラゴンに率いられた多様な種族といったところ。敵の前線はドラゴンが担っているようだ。
攻守ともにドラゴンの肉体が勝るものの、それ以外の速度、戦略、遠隔攻撃、魔攻、魔防で勝る神が最終的に勝る――それが、私のもともとの判断だった。
判断通りであれば、そろそろ我々が相手を包囲殲滅しはじめるはずだった。
そのドラゴンを相手に我々の部隊は苦戦していた。
戦況を見ている限り、何らかの精神攻撃を受けているようだ。
敵側で最も大きいドラゴン――おそらく敵側のリーダーと思われるドラゴンのブレスが、精神攻撃の起因になっているように見える。
特攻隊長のマルクスが話しかけてきた。
マルクスと私が駆り出される戦場なんてことは非常に珍しい。
天界の命運がかかっていると、上層部に認識されているということだ。
「ストラテスの旦那、苦戦しているな…。」
「マルクスか。ああ、すまない。なかなか思うような戦略が立てられていない。」
「いや、こちらも、なかなか有効打が与えらていない。」
「通常であれば、勝てるはずだが、何らかの精神攻撃を受けているみたいだ。」
「あのドラゴンのブレスだろう。俺もあびたが、あれは悪夢だ。立ち直るのに時間がかかった。」
「もう大丈夫なのか?」
「あぁ、少し回復してきた。一旦、状況を確認しようとここに来たってわけだ。」
「相手の弱点を突くことばかりを考えてきたが、まさかこちらにも弱点があったってことは考えてなかった。すまない。私の落ち度だ。」
「ストラテスに落ち度があるなんて珍しいな。そんな戦場に参加できたことに感謝するよ。
普段から全戦必勝を期待されているんだし、たまにはいいんじゃないか。それに俺たちだってまだ負けたと決まったわけじゃない。」
「あぁ、そうだな。一旦、解決策が見つかるまで、あのドラゴンのブレスから離れるようにしてくれないか。」
「あぁ、わかった。これからも、的確な指示を頼むよ。」
マスクルは戦場へ戻っていった。
精神攻撃を受けないように、敵側リーダーのドラゴンから適当な距離をとるよう指示されていく。
ただ、ドラゴンのブレスを恐れ離れるとこちらも攻撃ができず、ドラゴンにダメージを与える機会を失ってしまう。
ドラゴンのブレスはそれだけ広範囲だった。
そして、膠着状態が続く、と油断していると時に大きなダメージを受ける。
徐々にドラゴンも移動しているのだ。
慎重に前線を移動させていく必要がある。神経をすり減らす長期戦になりそうだと、私は覚悟し始めた。
よかったら、何か足跡、お願いします。




