第六十八話 ミリスの判断
樹の精霊ミリスが私の心に再び語り掛ける。
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やはり私は、信じることはできません。
もちろん、毒ガスの中和についてはとても感謝しています。
それでもやはり私は、信じることはできません。
人を受け入れることはできないが、このまま自然復興を見守ることにしましょう。
もし人が来たとしても危害を加えるのはやめましょう。
あなたたちにお願いがあります。
そこに眠っている子供を連れて行ってください。
ルミエルという私の子供です。
この世界を子供自身の目で見させてあげたい。
私はもう人を許すことはできないが、子供には中立な目で見て判断してほしいのです。
それと、人形の件については、用意しましょう。
メモリナがここに来るときはいつも人形を必要としているときだから…。
どうせ本来はそれが目的できたのでしょう?
ホープの人形のクリスタルは、見たところ最新の回復自立型ですね。
力を失っている今の私には、残念ながら従来の人形しか作れないが、ないよりはよいでしょう。
もう少し星が復旧し、私の力が戻ってきたら、再び来てください。
メモリナのクリスタルと合わせて、回復自立型にしてあげましょう。
あなたたちにはとても感謝しています。
どうかルミエルには、希望の未来を見せてあげてください…。
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「いつも、ありがとう。」メモリナが人形のお礼を言う。
ミリスの優しさに、私は静かに頭を下げた。
「ふぁ~。もう起きていいの?毒ガスは平気?」
精霊の子、ルミエルが起きだしたようだ。
-- ええ。もう大丈夫よ。ガスについてはここにいるホープが救ってくれました。
「へぇ~。そうなんだ~。ありがとう!」
-- ルミエル、冒険したがっていたでしょう。これからはホープについていきなさい。
-- きっと、その方が楽しいわ。
「えっ、いいの?やったー!」
-- ルミエル、しばらくお別れね。ホープの言うことをよく聞くんですよ。
「えっ、あ、うん…。」
-- ホープ。後は頼みましたよ。私はしばらく眠りにつきます…。
ミリスの言葉はもう聞こえない。
もともと、毒の中和に、星の復興、子供の成長と無理をしていたのだろう…。
ルミエルも多少、ミリスの無理をわかっていたのだろう、我慢して一時的な別れを受け入れたようだ。
幼い見た目のわりに、しっかりしているように感じた。
「私たち、お友達ね。私、ホープっていうの。ルミエル、一緒に私の家に帰ろう。」
ミリスに頂いた人形を左手、ルミエルの手を右手に、私は、家路を急いだ。
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