第六十話 メモリナ
ドーナツが不思議な鍵を見つけたことはすでに、この星のロボットたちに電波で連携されていた。
地上に出るころには、出口に、アイスクをはじめ、この星にきていたロボットたちと宇宙船が集まっていた。
「我々は、その鍵をプリドゥナにもっていかなければなりません。
この星の文明はそろそろ自立するべきかもしれません。この鍵とともに我々も帰りましょう…。」アイスクは言った。
ロボットたちと一緒に宇宙船に乗り込もうとしていると、ドーナツは一人、立ち止まっていた。
「私は、この星の人たちのお手伝いをしていたい。
私は、自己発電もできて半永久的に動けるし、この人たちの未来をもう少し見てみたい。」
アイスクが頷く。
ロボット同士は電波で会話できるはずだが、あえて声に出して伝えている。アイスクはドーナツの強い決意をくみ取ったようだ。
ロボットであるアイスクがなぜか笑ったように見えた。
「では、この星の事、任せましたよ。」
今度はドーナツが頷いて、鍵をアイスクに手渡した。
宇宙船は静かに浮き上がりプリドゥナへ向かう。ドーナツはその様子を静かに見守っていた。
プリドゥナにつくと、他のロボットたちは、それぞれ元の仕事に戻るようだ。
「ひさびさの仕事だ。こりゃ大変だぞ。」と言わんばかりに張り切っている。
「またね。」と挨拶を交わし離れていった。
アイスクは私と二人、少し隠れたところにある、大きい方の工場へ向かった。
アイスクは工場につくと、「こちらへ。」と地下へ誘導してくれた。
地下があったことは知らなかった…。この場所は初めてだった。
ロボットが椅子に座っている。
「初めまして、私は、機械番号A05001、オリジです。」
機械番号が若い。古いというか、おそらく最初に作られた機械かもしれない。
「ついに…、お待ちしておりました…。」
アイスクが、オリジに鍵を渡す。
「どうぞこちらへ…。」
オリジはさらに地下へと続く階段を下りていく。
「あっ、ここ、ジェネシスの地下と同じだ。」
神秘的な作りの円形の部屋の中央に、見覚えのある台座が置いてある。
鍵で厳重に封されており、長い間、誰の侵入を許していないからこその清潔さが保たれていた。
オリジは台座に鍵をかざす。
ジェネシスの時と同じように台座ごと周囲の床が下りていき、やはり円形の部屋へ降りていく。
その中央には、金属の台座。そこに、女の子が眠っていた。
ゆっくり近づくと、女の子は起き上がり、私の目を見て話し始めた。
「私は、メモリナ。
こう見えて、ロボットだ。
もう起きられないと思っていた。
起こしてくれてありがとう。
アイスクの記憶からあなたの事はよく知っている。」
一呼吸置いたのち、メモリナは、ジェネシスとプリドゥナについて、ゆっくりと語り始めた。
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