第五十九話 ジェネシスの復興
ジェネシスでは、あれから3か月ほど経過した。
ロボットたちのおかげで、大きな混乱はなく、人々は少しずつ社会性を取り戻してきている。
人々は機械の扱いも一通り覚え、食料の自給自足、初等教育の自立が確立してきた。
ロボットたちの役割も、次第に指導的立場からサポートへとシフトしている。
「ドーナツ。お疲れ様!そろそろ落ち着いてきたんじゃない?」
「はい!大分手が空くようになってきました。」
「そういえば…、この星、まだわからないことたくさんあるのよね…。
例えば、言語がプリドゥナと似ていたり、プリドゥナから忌み嫌われていたり…。
よかったら、一緒にこの星、探索しない?」
「う~ん。そうですね、手も空いてきたのでお手伝いします!」
二人で、ジェネシスの調査を始めた。
星の大きさは、地球と同じぐらい、人口は約5億人、鉱石分布は地球とほぼ同じ。
もとはそれなりの文明だったことを考慮すると、100年もすれば、人口は50億人程度まで増える気がする。
「そういえば、この星で、変わったところとかなかった?」
「えっと、変わったところ…。あっ、ありました。
生体反応がなかったから、後回しにした秘密の場所がありました。
忙しくて忘れていました…。」
ドーナツに連れられて向かった先は、大国の政府が秘密裏に管理していた建物の中の、さらに一部の人にしか知られていない、地下の秘密シェルターだった。
厳重に鍵をかけられたその部屋の奥は、掃除されていないのにもかかわらず、逆に誰もいないからこそ、長い年月の経過を感じさせない清潔さを保っていた。
さびやカビも見当たらない。空調管理によって湿度や温度が保たれていたということだろう。
誰もいない、歩くたびに、2人の足音が声高に聞こえる。
部屋の装飾品は無く、間接照明で床が白く照らされていて、それによって部屋全体の明るさが保たれているようだった。
一切の無駄のない機能美とでも言うべきか、とても神秘的な場所だった。
始めてきた場所なのに、どこか懐かしさを感じ、不思議と、ずっとここに居たくなる…。
円形の部屋の中央に、台座が一つ。そして台座には、入力用の端末が置かれていた。パスワードを聞いているようだ。
私は、いくつか思い当たる簡単なパスワードを試してみたが、開く気配はなかった。
何か他の方法を考える必要がある…、と考えていると、ドーナツは言った。
「あっ、私、そのパスワードわかるかもしれません…。」
位置を入れ替わり、ドーナツが端末にパスワードを入力していった。長い、複雑なパスワード。私には到底わかるわけがない。
ウィィィーン。台座の周囲の床が、台座ごと下に降りていく。ドーナツのパスワードは、当たりだったようだ。
上の階層と同じ円形の部屋の中央に、四角いガラス張りのケースが置いてある。その前に、台座は降りていった。
台座が完全に着地すると同時に、目の前のケースが開く。中には、金色に輝く鍵。
ドーナツは鍵を手に取るなり、「この鍵、プリドゥナにもっていかないと…。」とつぶやいた。
私には、ドーナツがパスワードを知っていたことも不思議だったし、
その鍵がプリドゥナと関係していることについてもわからなかった…。
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