第五十二話 星への訪れ
たいしたことのない生命体だという話だ。
何も心配することはない。
星に降り立つ。
生命体を見つける。
しかも数がとても多い。
ざっと50億ぐらいはいるだろうか。
やつらは我々を認識していない。
我々の姿が見えないほど、知能が低いということだ。
この星を支配するのは時間の問題だ。
そろそろこの神という種別の個体にもあきた。
増殖の時が近づいている。
我々は思考に入り込み、その思考の中の問題を解決し、問題が無くなったら増殖する。
神という種別は、問題を考えるという概念がそもそもなかった。
それは、全知全能だからなのか、それとも無能だからなのか――そんなことは、どうでもいい。
天界を支配するのはあっという間だろう。
人を物色していると、考えている個体を見つけた。
よしあいつにしよう。
あいつがどこにいようと、我々には関係ない。
あいつがどんな色、形をしていようと、我々には関係ない。我々は思念体なのだ。
知能の低い種別とのことだ。大したことのない問題を考えているのだろう。
かかえた問題が多く難しい問題であるほど、時間を持て余さなくて済む。
反対に、問題が少なく簡単な問題であればあるほどすぐに解決され、我々はすぐに増殖する。
どの個体を選ぼうが、我々には大きな問題ではない。
多少、侵略にかかる時間が変わる、それだけのことだ。
さて、そろそろ思考を乗っ取るとするか。
思考をする部位、多くの生命体の場合、それは地面から離れた部位。あれだ。頭に取りついた。
この星の名は地球か。
通常は、種別どうし情報伝達するのが難しいらしい。
だが、我々は、その個体と直接思考を重ねている。
言語の壁など、存在しない。
さて、問題をのぞいてみるか。
なになに。どうやら予想のようだ。まだこの文明では証明されていないらしい。
なんだ、子供でもわかる問題ではないか。やはりこの文明は、知能が低い。
どれどれ簡単に解いてやろう。
順番に考えてみるか…。
ざっと10000まで考えたが、成立しているようだ。
ではもしかして、証明可能なのか…。
いや、証明はなさそうに見える。
では反例があるのかもしれないな。
証明できない命題の反例はすぐに見つけられるものだ。
順に考えてやろう…。
10001,10002…。
思考する――それは、退屈を忘れさせてくれる唯一の快楽だ。
素晴らしい!時を忘れさせてくれる!
10003,10004,10005,10006…。
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