第二十七話 届いた人形
私は、ミカエルと一緒に、届いた人形について調べてみた。
「コンテストのときに創造されたゴーレムと、似たような作りのようね。
ゴーレムの額にあったクリスタルが、ほら、ここ。内側に仕込まれてる。
コンテストの時の体にも、もしかしたらあったのかしら?気づかなかった…。」
私はミカエルに、硬い何かが人形の心臓のあたりにあることを示した。
「私の記憶では、コンテストのときに見た人の体より、一回り小さい気がする……。
性能は大丈夫かしら?」
「一度、試してみたらいかがですか?」
「そうね!」
私は、人形に意識を移した。
元の大きさのまま、小さな体で動き回ってみる。
指先まで、世界の感触がある。
味覚が、世界に味の彩を添える。
温度が、世界に臨場感を与えてくれる。
もちろん音はいつもの通りに聞こえている。
使用感は、コンテストのときと変わらない。同等以上の性能のようだ。
「すごい……てっきり廉価版かと思ったけど、全然そんなことない!
小型化されているということは、むしろこっちの方が最新版かしら?」
自分の体のように、世界に直接触れられる。
触れたり、味わったり、温度を調べたり――それは、今までずっとモニター越しだった私にとって新しい、全く新しい感覚。
一度きりとあきらめていたコンテストの感触が、再びよみがえる!
「小さいままもかわいいですけれど、大きさも変えてみてください。
小さくなったり大きくなったり、自由自在に変えられるはずですよ。」
私は、ミカエルに言われた通り、神の力で大きさを変えてみる。
これ以上小さくなるのは難しかったが、普段の二倍までなら大きくなることはできた。
顔かたちも、男女の性別でさえも、文字通り自由自在に変えられるようだ。
無理に体を動かして、多少傷ついても、傷はすぐに回復した。
「このクリスタル、自己修復機能があるみたい。
きっとオルドレムも自己修復機能はついていたんだわ。ただ、外部からの補助が必要だったようね。
この体は、さらに進化して、完全自律型で自己修復するってことね。」
さらに、人の形でありながら、耐久性に優れ、耐熱性に優れ、呼吸をまったく必要としない。
この体であれば、文字通りほぼどこへでも行ける。もちろん、文明への介入に神の啓示は必要が無くなる!
「この体、すごい!」 私は、まるで子供のように動き回っていた。
ミカエルは、そんな私の様子を見て、微笑ましく笑っていた。
「さっそく星の探索をしなきゃ!」
姿かたちはもちろんいつもの使い慣れた自分がいい!
私は自室に戻り、人形の体を、自分本来の姿かたちと全く同じにして、意識と共に宇宙へ飛ばした。
高鳴る胸の鼓動に、宇宙はとても静か。
星の上での移動と違って宇宙での移動はとてもなめらか。
一度ついた加速を止めるものは何もない。
胸の鼓動に合わせて私はさらに神の力で加速する。
徐々に世界の景色が変わっていく。
前方は青く、後方は赤く。
私が進む方向に見るものすべてが集まっていく。
無限に広がる宇宙、私はこの景色に身を任せた。
この時の私は、まだこの新しい冒険で何が起こるか知らなかった。
もしこの物語に名前をつけるなら――それは『機械仕掛けの意思』。
一応補足します。
「前方は青く、後方は赤く。私が進む方向に見るものすべてが集まっていく。」
これは、光のドップラー効果を表現してみました。
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