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私の地球(ほし)がきえちゃった  作者: よむよみ
第二章

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第二十三話 ホープ

私はもちろんホープ。

この世界では、いろいろ考えたけれど、ギルドの受付になることにした。

ギルドの受付であれば、多くの人と自然に接することができる。

10年前は6才だったが、今は16才まで成長した。

10年でこんなに成長するなんて、成長が早いというか、寿命が短いというか…。

神である私には新鮮な感覚だった。


もちろんこの辺りの地理、鉱石分布は把握済み。

食料が不足しそうと思ったら、肥料のうわさを流したり、

感染を予防する初等医療をこっそり普及させたり、

技術進化に必要な鉱石の場所を重点的に鉱石発掘依頼を出した。

鍛冶屋もより強度の高い武器防具を自然と生み出すようになっている。

その武器防具を適度に国に売り、適切な通貨発行を促した。


ちょっと難しそうな依頼も、小さい子供に頼まれたら断れないこと、そして、

すでに依頼をクリアするのに十分な文明となっていることは把握済み。

できるのか?と半信半疑だった人たちも、何事もなく依頼を達成し自信満々で帰ってくる。


そんな異世界生活も今日で終わり。


モンスター討伐を引き受けてくれたアルクと一緒に、山の中腹まで来ている。

以前から才能を感じていた冒険好きな男の子に適度に依頼を渡し、今では18才、立派な冒険者だ。

初めは危ないんじゃないかと断られたが、ギルドをやめ違う街へ引っ越すついでに、珍しいモンスターが見たいといって、モンスター討伐に無理やりついていった。


「地震!?いや、ゴーレムだ。隠れて!」

地割れの中から、厳かにゴーレムが現れた。


ゴーレムに対し、基本的にはアルク一人で戦ってもらう。

10年のうちにこの時代には貴重な火薬を十分集めた私は、爆弾で時折サポートする。

爆弾自体大して効果は無いと思う。

どっちかというと、大きな音を出し、天界の注目をあびることが目的だ。

アルクたった一人での戦闘になるが、文明発展のおかげで十分戦えている。

ゴーレムは足をつき、手を振り下ろす攻撃から、岩を投げる攻撃に変えた。


そろそろ戦いは終わる。いや、終わらせる。


私は“わざと”岩にぶつかり、悲鳴を上げる。

「ホープ!!大丈夫か?」

アルクは私に駆け寄ってくる。ゴーレムはすでに足にダメージを受けており、すぐにはこっちに来れない。

「ごめん。しくじっちゃった……。

ゴーレムは額のクリスタルをかばってる。きっとクリスタルが弱点よ。

大丈夫、アルクなら絶対勝てる!」


再び、アルクはゴーレムに対峙する。

左右に体を揺らしフェイントを入れ、大きく飛び上がり、額のクリスタルに切りかかる。

その瞬間に、私は、特別製の銃を取り出した。


始まる前から、どんなモンスターだろうと考えていた。

文明に見合わないモンスターを作るとき、もし私なら弱点を用意し、工夫でも倒せる方法を用意しておく。

額のクリスタルを初めてみた時からピンときていた。銃を作っておいてよかった。

この文明にはまだ早い武器。

鍛冶屋に依頼したが、鍛冶屋はこれがそもそも何なのか理解をしていないに違いない。


額のクリスタルに狙いを定める。

ゴーレムの動き、アルクの動き、風による誤差修正、計算完了、命中率99.9%。

神の99.9%は絶対、そして、命中率では必中を表す。


ごめんね、アルク。

多分アルク一人でも十分倒せる。

ただ、私には時間制限があるの。

今の文明の発展度では、一人でクリスタルを壊すことは難しい。

だからガンナーとして私は、勇者のサポートをする。


私は、引き金を引いた。銃はサイレント機能がついており、誰にも気づかれない。

アルクの剣の刃が額のクリスタルに当たる直前に、私の弾丸がクリスタルを貫いた。


アルクの背中を見ながら、私は少しだけ思った。

もう少しだけ、見ていたかったかも。

私は役目を終えた人間の体をこの世界から消した。同時に存在の記憶も消えていく。

ありがとう、アルク。そして、さようなら。


マスクルの文明も素晴らしかった。大勢でド派手な演出は、確かに大衆を魅了する。


私が見てきたどの文明も、ド派手な演出には人気が集まる。

でもその後、王道ものと言われるストーリーが必ず定着する。

爆発で注意を惹き、全く効果がなく絶望、ヒロインの負傷、そして覚醒した勇者による一撃。

それが、定番、そして、進化した演出、王道よ。


私は、勝利を確信し、天界の大広場へ戻る。

セレスティア・プラザの空は、今日も穏やかに澄み渡る。

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